2012年5月24日木曜日

タガメ採集2

神戸大からタガメの研究をされているNさんが来られてから、今日が2日目です。

前回アップしたポイントを昼間と夜の2回に分けて調査してきました。

昼間はタモ網採集をして、

夜間は下の写真の様なブラックライトを使うトラップ採集をしています。


光に集まる虫の習性を利用して虫を集めます。

ビニールにぶつかった虫は下に貯めてある池に落ちて溺れるという仕組みです。

このトラップはこれから始まる雨季にはカンボジア中で見ることができます。

タイやベトナムの都市部近郊では稲の収穫をあげるために使用される農薬の影響で

タガメの姿はほとんど見られなくなってしまったようです。

ですから、現在タイのバンコクやベトナムのホーチミンで見られる

食用タガメの多くはカンボジア産とのことです。

カンボジアも農薬を使わないわけではないようですが、

経済的にも使用する農家はまだ少ない事が逆にタガメなのど水生昆虫や

その他の水田を利用する生きものにとって種の多様性を

維持することができる要因となっているのかもしれませんね。


このトラップはタガメの他にメインとなる獲物はコオロギです。

数年前は一晩で(トラップ3個)50kgのコオロギが採れたそうです。

でも、今は多くて20kg!少ない日で5kg程度とのことです。

それでも、私たち日本人のイメージからすると多いですよね(笑)

下の写真は今日の朝から田んぼでタガメ採りをした時の写真です。








そして、今日の晩はシェムリアップの町から約45km離れた水田地帯に行って来ました。

ここはトンレサップ湖岸とは違い、多いところでは200個くらいのトラップが仕掛けてある

ポイントです。ここなら効率も良いはずです。

早速、トラップを管理している人に手当たり次第聞きこみ調査をしますが、

みんな口をそろえてタガメはいないと言います。

2件目に聞き込みを行ったところでもいないと言われましたが、

話をしている最中にここに1尾いるよ!といい、

水ガメに入っていたタガメをくれました!

いるじゃんーーー!!うそつくなよーー!おじさん!!

その後、何かおかしいなと思い、質問を変えてみることにしました。

「タガメはいますか?」ではなく、「この時期一晩でタガメは何匹くらいとれますか?」

すると帰ってくる答えが変わったんです。

「大体、10匹くらいとれるよ!!」

やっぱり!いるんやんかー!!

何ヶ所かの家に電話番号を聞き明日の朝引き取りに行く約束をして

まわりました。そして、最後の場所と決めて停まったポイントで聞き込みをすると、

「向かいの家に行きなさい!」といわれ、行って話を聞くことに・・・

すると、「たくさん持っているわよ!」という答えが返ってきました!!

偶然にもこの家はこの地区でタガメの買い取専門の家だったんです。

毎日この地区でタガメを採った人が売りにここへ集まるそうです。

そしてある程度集まるとタイへ売りに行くというわけです。

おばさんが出してきた袋にはタガメが山ほど入っていました(笑)




これにはタガメ研究のNさんも大興奮!!

僕も大興奮していました!!(笑)

きっとみんな苦労して採ったタガメなんだろうなーと思うと

タガメがものすごく貴重な生きものに感じられました。



タガメは♂♀で値段が違います。

メスの方が安く、雄は匂いがきつく、

タイでは高価で売られるのでメスの倍の価値があるそうです。

ここまでが今日の成果です!!




こうして今日の調査も無事に終わりました!!

明日もまだ調査があるのでバテないように頑張ります!!


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