2012年3月26日月曜日

胃腸炎でした

先ほど夕方から病院へ行き、救急外来で診察を受けてきました。

病名は胃腸炎とのことで、レントゲンと点滴をして2時間で返されました(笑)

実際は何も治っていないのですが少しほっとしました。

下痢はしばらく続きそうです(笑)

せっかくいろいろと食べたいものがあったのに、

今は食べる気にもなりません(笑)

早く復活しないと食べる間にカンボジアへ強制送還です!

今日、明日で何とか回復させます。

帰国中ですが・・・

ただ今、帰国中なのですが、一昨日空港を出てすぐから下痢になり、

いまだにおさまる気配がありません!

なので、予定していた行動ができず、家でじっとしています。

なにか悪い菌でも入ったのでしょうか??

もうしばらく我慢してみます。

食べたかったものはまだ何一つ食べていません(笑)

2012年3月23日金曜日

市場の魚シリーズ9 美味魚

今カンボジアの空港で飛行機待ちです!

かなり暇なので1つアップします(笑)





またまた市場シリーズです!



100回目指して頑張ります!



今回はコイ科メコンギナ属の1種Mekongina erythrospilaです。



この魚はなぜかカンボジアでは最高級魚として扱われます。



値段も破格の5ドル(20000リエル)/kgです。



普通の魚は2000~10000リエルですから高いですよね。



でも、本種の分布は狭く、カンボジア北部のメコンとその支流(一部)にしか



生息していません。なので、僕の住むシェムリアップにはいません。

この街は本種がシンボルになっています!
そのくらい待ちの人はこの魚と密接な生活をしているのでしょう。


それでも、結構有名で2年前に現地へ行ったときには友人のカンボジア人はお土産に



買っていました。



でも、食べてみるとそれほど美味しくはなかったようです(笑)



彼が言うには油は多かったので良かったけれど、肉はそれほど・・・との事でした。



この魚のアベレージは20-30cmといったところですが、



たまに40オーバーを見かける事もあります。



基本的には顔つきや口の形状、体型などから想像がつくと思いますが、



流れのある水域に生息しており、投網や刺網で捕獲します。








以前にもアップしましたが、昨年の調査で3尾ゲットして持ち帰ったのですが、



気が荒く、他の仲間やバルブを攻撃して鱗をかなり剥ぎ取られる事件がありました。



そのため2尾は標本にして1尾を完全に隔離しました。



その個体は今も研究室の水槽にいます。



でも、餌(ペレット、エビなど他の魚に与えている餌)を与えても食べません。



岩などに着く藻類や泥の中の細かいものを食べているようなので餌にはちょっと困ります。



でも、最近思い切って久しぶりにプンティウスやバルブを数尾入れてみたところ、



もうすぐ1カ月ですが全く攻撃を仕掛けません。



少し丸くなったのでしょうか(笑)


我が家のMエリソロプテルス



ともかく、コイツの飼育方法は今後も考えていこうと思っています。



もしショップで見かけたらチャレンジしてみてください!!



もしくは、食してみては?

今夜帰国です!

今夜2年半ぶりの帰国です。

先ほど、ホテルのメンテ作業も終わり、

何とか準備も整いました!

また日本でもアップしますので、これからも応援よろしくお願いいたします。

2012年3月22日木曜日

帰国準備


昨日から帰国のためのホテルとレストラン水槽のメンテです。


実は数日前に定期的なメンテはしているのですが、


10日程空けるのでいつも以上に念入りに掃除しておきたいのです(笑)


自分の水槽ならそこまでしませんが、世界遺産アンコールワットを見るために


世界中から集まったお客さんが来る場所の1つですから、


できるだけキレイにしておきたいですよね!


レストランの方は安定してきましたが、特にホテルの仕事は初めてまだ数カ月なので


毎日餌を与えるホテルのスタッフがいい加減で、


やばいくらい餌を水槽へ入れます(笑)


何度も説明しているのですが、その説明を他のスタッフに伝達するという作業が


ないので(言ってもたぶんしていない)、他の人が同じことを繰り返します。


先月は特にひどくて、メンテでホテルに行くと一瞬にして苛立ち度が300%を超えました(笑)


2m水槽の水面を埋め尽くす程のペレット!


水中ポンプのストレーナーはブドウの様な状態で餌が吸いつき、

力尽きたペレットの大群が底面の砂に敷き詰められていたのです!!!


こんなんじゃ!いくら掃除してもキレイな水槽維持なんて不可能です。


そんな水槽が目の前にあってもスタッフの誰も気にしていません!


その時はさすがに怒りましたね(笑)


それ以来、餌をこれまでの20%に抑えることと、


給餌は2日に1回としました(笑)


もう少し勉強してくれるといいのですが、


いつもながら、カンボジア人の思考回路は理解できません(笑)


今日と明日の追加メンテはそんな事情があっての仕事です。


本当は1カ月くらい帰りたいんだよーーー!!!

市場の魚シリーズ8謎のコイ科魚

今回も市場の魚シリーズですが、

先日の調査で見かけた魚を紹介します。

何でもないようなコイ科の魚ですが、

通りすがりに視界に入った瞬間!

ムムッと思いました!!

顔はパーカーホのように丸くデカイのですが、

魚体は鱗といい、鰭の形状といいまったく違います。

僕の知っている限りではオステオチルス属の要素をもった魚体です。

長年、カンボジアの魚を見てきましたが、

これは初めてだとすぐに気付きました。

可能性としてはインドを中心としたミャンマー、パキスタンなどに分布する

Catla catlaである確率が高いですが、

これまでに記録がありません。

ローフーで知られるLabeo rohitaと同じくコイ科のCirrhinus cirrhosusも

同じ地域からの移入では知られています。

もしかすると一緒に入ったのでしょうか?

調べてみると、隣国のタイ・ラオス・ベトナムでは移入種として扱われているので、

ありえますよね!



ちょっと頑固なおばさんだったのであまり触れませんでしたが、

隙をついて背鰭、尻鰭の条数はカウントしておきました。

あと側線鱗数もカウントできます。

まだまったく手をつけていないので何とも言えませんが、

面白い魚だと良いなーと思っています。

意外と見落としている何でもない魚だったりするんですけどね(笑)


これはまた時間のある時にゆっくり解析してみます。

もし、ご存知の方がいらしたら、是非ご一報ください!!

よろしくお願いいたします。

2012年3月21日水曜日

ダト調査ツアーもう一つの目的

先日行ったフォーバー調査ツアーにはフォーバーの他に
幾つか調査テーマがありました
その中の1つは、昨年アメリカの学者さんがドイツの学会誌に発表した

新種の記載論文です。
これはいつもコイ科の魚について相談させてもらっているスペシャリストの

先生からメールでもらった論文です。





これによると、カンボジアの北部メコン水系にてドジョウの仲間Schistura diminuta
発見し、これを新種とするというものです。
カンボジアで採れた種であれば、新種だろうが何だろうが、

採らないわけにはいきませんよね(笑)
でも、よくよく見ると新種記載に使用したホロタイプ、パラタイプ共に最大でも
19.5mm程の小さな種であることがわかります。
さらに季節的なことやいろいろな条件もあり、

絶対採れるという保証はありませんでしたが、



今回の調査地点からさらに北へ約80kmの場所だったので行くことにしたのです。
今回は相手が小さいのでいつものようなスタンダードな網では採れません。
そこで相棒と事前ミーティングをして決めたのが、蚊帳を使った網です。
蚊帳はカンボジアではどこでも売っている品物で、
うちの前でも時々子供たちが二人一組で蚊帳を水中で引っ張り、
小さな魚を追い込んで採っています。
これが蚊帳の網です!
小型魚はかなり採れます!!
現地について少し驚いたのは川が大分大きいことです。
この地点はラオス国境のすぐ近くで周りには山々が見えます。
この地点でこのサイズなのですから、上流はまだまだ長いんだと痛感しました。
早速、相棒と網を引くと、いろいろな小型魚が入って来ます。
コイ科の稚魚や幼魚がメインですが、アッ!!!っと思ったその時です。
網の中にドジョウが!!
手に取るとがっくり!!
ホースフェースローチの一種Acanthopsoides hapaliasでした。
その次は同じBALITORIDAENemacheilus pallidusでした。
このどちらも30-50mmSL程度の小型種なのですが、
目的の種はその半分ですからね(笑)






途中、浅瀬で蚊帳引き漁をしていた家族と出会い、魚を見せてもらいましたが、
お目当ての魚はいませんでした!
今回は採れませんでしたが、次回は採ります!!!
今作成中の図鑑には入れたいですからね。
たとえ2cmの魚でも1種類増えますし、本としての価値も上がりますからね。
頑張らないといけないですね(笑)

市場の魚シリーズ7 メコン支流での魚争奪戦


いつものことなのですが、僕は早朝5-7時くらいの間は



いつも川や湖辺の朝市に行きます。



朝市には早朝に採った魚を漁師さんが船で売りに来ます。



市場の魚よりも新鮮ですし、レアな魚に会う機会が多くなります。



でも、そこには強敵がいつもいるんです(笑)



それは魚を買い付けに来るおばちゃんです!



この写真でもわかるように、魚を載せた船が来ると、一目散に水の中をかき分けて



船に近付き、お目当ての魚を奪います!



トンレサップ湖などでも同じ光景が見られます。



時にはおばちゃん同士で奪い合いの喧嘩が勃発したりもします。



また、奪った後に漁師さんと値段交渉するのですが、



折り合いがつかないときも喧嘩が始まります。



まあ、ハッキリいって皆自分勝手です(笑)



その強敵の中で魚を買うのは結構難しいです(笑)



でも、何日か通ううちに数人のおばちゃんは味方になってくれて



僕が気づかないときに僕の欲しい魚を載せた船が着くと、呼んでくれたりもします。



このコツはできるだけおばちゃんと話して、「この魚が欲しい!」と



アピールしておくことです(笑)



また、カンボジアの漁師さんの多くは地域により差はありますが、



その大部分はカンボジア人ではなく、ベトナム人だったり、チャム人だったり、



ラオス人の時もあるので、いつも話しているカンボジア語が通じないことも多々あります。



そんな時は笑顔や欲しい魚の写真などでカバーします。



時には朝市でゲットできずにババアに買われた魚がそのあとにチェックしに行く市場で



売られていたりもします。そうすると、ババアは「来たわね!」といった感じの笑みを



浮かべてちょっと高めに値段設定して僕に売ろうとします。



それでも欲しくて買わなければいけないときは屈辱を味わいます(笑)



かと思えば、ただでくれるおばさんなんかもいるので、



それぞれおばちゃんたちの性格の違いがよくわかります(笑)







・・・こんなことをしているので明後日からの日本帰国はとても楽しみです。



2年半突っ走ってきたのでちょっと疲れました(笑)



日本では楽しい時間を過ごしたいです。

2012年3月20日火曜日

ミニ研究室近況

3日後に迫った2年半ぶりの帰国のため、

毎日我が家の第一研究室(ちょっとカッコよく呼んでみました)は

遠征ツアーで持ち帰った魚や標本の整理、

データの打ち込み作業、

それに輪をかけて帰国のための水槽メンテと大忙しです(笑)


さらにはホテルとレストランのメンテが明日から入るので、

テンテコマイデス(笑)




今回は一番苦手なハゼの仲間が採れているので

コイツの整理に困っています(笑)


これもたぶん手に負えないので、

日本のハゼ博士に相談する予定です。
(本当にいつも迷惑ばかりかけてすみません)


日本に帰ったら(10日間だけですが)、

牛丼とか回転寿司とかラーメンとか・・・


食べたいーーーーーーーー!


あと数日頑張ります!!

市場の魚シリーズ6多彩なメコンの魚

市場シリーズ6弾です!

今回もメコンの魚です。


下の写真はコイ科の魚Labeo pierreiです。

以前はLabeo erythropterusの名でよばれていた種です。

カンボジア北部へまだ足をあまり運んでいない頃は

コイツの幼魚や未成魚をトンレサップ周辺でよく見かけていましたが、

北部に行くようになって完全な成魚に出会うようになりました。



大きなものは80-90cmはあります。

小さいサイズの個体とデカいサイズの個体は

知らないと別種だと思ってしまう人もいるでしょうね(笑)

それくらい大きな個体は貫禄がありカッコイイですね!

こいつはラベオの仲間なので低層を遊泳するタイプですが、

もし、メコンの水が透明なら一度遊泳シーンを見てみたいものです(笑)

水族館やったら絶対に入れたい種ですね!

(餌が難しそうですが・・・)

現地値段はこの魚だと1kgで100-200円くらいです。






下の写真はカンボジア北部のメコン水系をギュッと上手くまとめた

ザルです(笑)

・・・本当に上手くまとまっています(笑)

どれもこの辺りではよく採れる代表的な種ばかりですので、

この地方の代表メンバーといったところでしょうか(笑)



コイ科のバルブ(Hypsibarbus、Scaphognathops)や、

ブラックシャーク(Labeo chrysophekadion)とは別種のLabeo barbatulus、
(背鰭の形状で簡単に区別できます)

アルジータ(Gyrinocheilus pennocki)、

ナマズ(ミスタスHemibagrus wyckioides、ブラックランサーBagrichthys macropterus)、

そしてフォーバーダトニオ(Datnioides undecimradiatus)、

などなどです!




やはり、市場に卸す魚たちなので大きな種類ばかりで、

小型種はいませんが、

トンレサップ湖岸の町や僕の住むシェムリアップでは見られない種がズラリと

並んでいます!!(行くたびに興奮するのも無理ないですよね)


たとえカンボジアに住んでいてもそれぞれ地域により魚種は片寄るので、

普段の生活とは違う地域に行くととても楽しいですし新鮮です。


皆さんも海外に旅行された時にはぜひ市場を見学してください!!

楽しいですよ!






2012年3月19日月曜日

砂取りで発見!


今回の調査の帰りにお気に入りの砂を某河川で収集したのですが、

その際に砂の中から鉄砲の薬莢を発見しました!


カンボジアは世界でも有数の地雷保有国です。

今回の調査でも何ヶ所か地雷のマークがある地域に行きました。

でも、僕は絶対にその地帯には進入しません!

たとえその奥にキレイな水域があってもです。

その一回の欲で魚採りができなくなるかもしれないですからね。


カンボジアは長い戦乱を終えて間もない国です。

平和になった今、こうして戦争の跡を見るのは悲しいですね。

でも、もうカンボジアは未来に向かって進んでいます。

魚の調査研究もその一つだと信じてやっています。



この砂は日本では売っていないタイプの砂です。

水槽へ入れるとカッコイイですよー

今度新規の仕事が来た時に使えるようにストックしておきます!





2012年3月18日日曜日

市場の魚シリーズ5エクソドンで散歩?

メコンの支流で出会った光景です。

水の中を歩くおばさんの足元に魚が!!!


よく見ると、紐に繋がれているのはエクソドンではないですか!!

紐に繋がれて散歩ですか?

いえいえ! 市場で魚を売るおばちゃんが買い付けた魚ですよ!(笑)




皆さんの多くはご存知だと思いますが、
インドシナにはジャイアントグラミーが2種います。
その1種がこのOsphronemus exodonです。
本種は1994年にOsphronemus gouramyと別れて分類された種なので
比較的新しいグラミーですね。

分布は上流のタイ・ラオスとカンボジアのメコン水系です。
でも、僕の短い調査期間でも年々減っているように感じるので、
この先、絶滅に瀕する種として扱われる日はそう遠い未来ではないのかもしれないと
思う事がよくあります。

それに対して以前から知られているOsphronemus gouramyはよくショップでも
見かけますよね。ショップでは小さい幼魚が売られている事が多いのですが、
50cmくらいにはなりますので、要注意です(笑)

この2種の簡単な見分け方ですが、僕の図鑑が出ていれば一発でわかるんですが(笑)
一番簡単なのは背鰭・尻鰭の棘と軟条の数をカウントしてみてください。
Osphronemus exodon

Osphronemus gouramy

エクソドン:背鰭(棘14-16 軟条10-11)尻鰭(棘1-13 軟条1-19) 
グラミー:背鰭(棘11-14 軟条12-14)背鰭(棘1-11 軟条20-23)です!

またエクソドンは大きくなると口がイカつくなってきます。
そして歯が外を向いて成長してくるので半漁人?の様な

顔つきになるのですぐにわかりますよ。

もし、飼育している方がいたら是非とも大きくして半漁人を育てて下さいね(笑)

2012年3月17日土曜日

ダト調査のオマケフグ

もうひとつ!ダト調査のオマケのフグMonotrete suvattiiです!
Tetraodon suvattiiはシノニムです。今回はKottelatの分類に従っています)

カンボジアにも淡水フグはたくさんいますが、

本種を確認したのは初めてです。

昨日、文献も確認しましたが、カンボジアは分布域ではなく、

タイ・ラオスとなっていましたので、

おそらくカンボジア初記録です。(ちょっと嬉しいですね)


この個体は市場で見つけたのですが、
道端のおばあちゃんが魚を数尾並べて売っていたのを
発見しました!
見た瞬間に興奮して飛びついてしまいました(笑)

なんと!500R(リエル:現地通貨名です)で買ったので、
約10円です!もっていたタンクに入れたところ、生きていたのですが、
大切な記録なので、標本にしました!
(ダトの卵巣も標本で保存しました。大切な資料ですから、最大限に活用しないといけないですね)


上の写真はゲストハウスで撮影した写真です。

今作成中の淡水魚図鑑に載せますね!

最近は確認種が増えてきたので長期の遠征をしてもなかなか新しい魚に出会う機会が

少ないので、これからはもっと大変だろうなー!


でも、4月はインドシナ最後の秘境といわれる山に入る予定で、新たな相棒と交渉中なので、

新種を幾つか見つけてきたいですね。

それから前回行った時に採った新種(オステオチルス属)が2尾しか採れていないので、

もう少し、個体数を確保するのが目的です。


こういう魚に突然出会うのがフィールドの楽しみです(笑)


ダト調査のオマケ魚

今回の調査のおまけです!

ダトポイントで採れた魚は約10種程でしたが、

その中で初めてCephalocassis borneensisの卵を見ました!!

Cephalocassis borneensisはハマギギ科に属するナマズです。

この他にカンボジアの淡水域には1種いるので2種が生息しています。

汽水域に行けばさらに種類は増えます!





下の写真がその卵ですが、とにかくデカイです!!

いくらより大きいですね(笑)

腹部を圧搾するとポンッポンッと出てきますので、

卵巣は成熟しているのでしょうね。

ダトもこれくらい大きい卵だと楽なんですけどね(笑)





現地でこうして魚を見ていると、

自然の力のすごさをとてもよく感じます!



ちょっとだけ公開!フォーバーの生殖腺

リクエストにお答えして少しですがご紹介いたします!

今回はメス1個体とオス1個体だけでスミマセン!

今回は10個体程解剖しましたが、産卵期の最盛期に近いということもあり、

メス個体はどれも生殖口が赤くはれ上がり、腹腔もオス個体と比べると

大きく膨れているので一目瞭然でわかりました。

以前の職場でも多くの魚の採卵や人工授精をしてきましたが、

もっとわかりにくい種は山ほどいます(笑)

それに比べるとかなりわかりやすいタイプですね。



また、メス個体はオス個体に比べると体長が大きいという事もあるので

尚更よくわかります。

もし、数尾で飼育している方がいらしたら、じっくり観察してみてください!


さらに、卵が未成熟の個体でも(写真のメス個体よりもまだ卵が成熟していない個体)、

生殖口はほとんど同じでした。

もし、ここまで生殖口が腫れていないならまだ成熟していないはずです。

なので、あとは腹腔部分の膨れ具合で判断できると思いますよ!

卵巣は腹腔内を埋め尽くすほどパンパンでした!




下の写真はオス個体です。

精巣はほとんど成熟していました。

ですので、メス個体を目安に調整すれば大丈夫だと思います!





今回使用した個体は既に食用目的で死んでしまった個体を使用しました。

決して生体ではありませんよ!(笑)

日本のアクアリストにはこうした情報は少ないので、

よかったら参考にしていただけると嬉しいです。

このフォーバー調査は6月、11月に再度行うのでご興味のある方がいらしたら

ご一緒にどうですか?

みんなで楽しく魚調査したいですねー!

フォーバーツアーなんか良いですねー(笑)





2012年3月16日金曜日

フォーバーの現状

やっとシェムリアップの家に帰りました。


今回は調査した地域でフォーバーを集めているおじさん二人にも会い、


家に行ってフォーバーをストックしている様子も見てきました。


話を聞くと、ここで集められた個体はさらに他の町へ移されて、


そこからタイ・マレーシアに運ばれて売られるそうです。

この個体の大半は中国に行くそうですが、

タイのチャトチャックなどで普通に見られる個体もこの地域の個体である可能性が高いですね!



確かに、まだこの街にはある程度の数がいますが、


これから数年後はどうなるかわからない状況です。

それくらいメコンの状況は悪化してきていると思って良いと思います。



フォーバーはプルケールに比べると安価で売られる種ですが、

今度はフォーバーがプルケールの様な扱いをされる日が来るかもしれませんね。


メコンは6カ国を流下する大河ですから利水の権利を争ったり、

それぞれの国の河川管理や生活環境が悪化すれば、たちまちに

メコンは影響を受けます。

2回目の網で採れたフォーバー2個体

もう1種は他の漁師さんから買ったオスフロネームス・エクソドンの未成魚


プルケールも大切ですが、まずはフォーバーを使って

いろいろと実験をして数年後にはプルケールを繁殖したいですね(笑)

そこへつなげるのが当面の目標です。

今度は6月頃にもう一度現地へ行く予定です。(さらに11月にも予定しています)

6月には雨季には行っているので少しメコンの水位が増して新しい水がたくさん来るので

魚の数も増すようです。

ダトもそれなりに多いとか・・・

もしご興味のある方がいたら連絡下さい。

今後の魚調査はいろいろな人と力を合わせてやっていきたいと思っています。

その方が一人でやるよりも楽しいですからね(笑)!