2014年3月30日日曜日

メコンツアー7(瀑布)

 
この日泊まる村から船で約8km北西へ移動すると、
 
ラオス国境が見えてきます。
 
そこにはイルカがいたり、大きな滝(瀑布)があったりするんです。

 
船は隙間から浸水していたのでみんな沈没しないか心配していましたが、
 
後ろで絶えず水を汲み出していたので大丈夫でした!
 
水牛も暑いのかメコンの中でじっとしていました。
 
 
 
イルカウオッチングをした後、
 
陸に上がり、再度イルカを見て過ごしました。
 
イルカはもう少し下流のエリアにも数か所いるのでここまでくるお客さんはあまりいないのですが、
 
景色は最高に良いので、機会があれば皆さんも是非!行ってみてください。
 
 
いつも世話になっているおじさんに聞いたところ、
 
今は6頭いるそうです。
 
昨年と同様に今年も子供が確認されていないそうなので
 
将来が心配ですね。
 
 
 
 
メコンの大滝の一つがあるこの村では
 
船かバイクで見に行くとこができます。
 
今回選んだのはバイク!
 
途中、撮影するのに3ケツしてみました!
 
(バイクは危険なので経験の少ない方は控えてくださいね。)
 
 


 借りたバイクは
 
ブレーキレバーが無かったり、
 
鍵自体が無いので、チョークでエンジン切れ!とか、
 
フォークも歪んでいるのでまっすぐ走らないなどなど・・・
 
かなりいい加減なものでした(笑)



それでも、何とか滝に到着し、
 
メコンの違った一面を見ることができました!
 
やっぱりいつ見ても自然のスゴさを実感することができるので
 
この場所はすごく好きですねーーー!
 
 



メコンツアー6(Mekong1)

 
カンボジアの中でもラオスとの国境に近いエリアにある村に到着!
 
ここは以前絶滅に瀕する魚Aaptosyax grypusを探すために訪問した場所ですが、
 
景色がキレイで落ち着く村だったので今回も3人を案内しました!
 
 
 
早速、子供たちが川辺で遊んでいました。
 
これだけ豊富な水が近くにあると生活違いますね。
 
シェムリアップの農村のほとんどはこんな大きな川はないので
 
いくら近くに大きな町があろうと、
 
その恩恵を受けることができるのはほんの僅かですからね。
 
その一方、この村は何もないけれど
 
メコンのおかげで潤っているようです。
 

 迫ちゃん!すごくはしゃいでいました!!
 
楽しそうにしている姿を見るのはやっぱり嬉しいですね。

 
この時期は水位が一番低いのですが、
 
僅かに瀬にあたるこのエリアは見た目以上に流れが強く、
 
みんな泳ぐのに必死でした(笑)
 
 
そして、そんな場所で釣れたのは
 
Pao turgidus(フグ)とPoropuntius normani(コイ科)が2尾ずつと
 
ハゼの仲間のPapuligobius ocellatusが1尾でした!
 
Poropuntius normaniは夜ごはんの時に塩焼きにして食べました!
 
 
 
一人での調査も楽しいですが、
 
仲間がいるともっと楽しかったです!!
 


2014年3月29日土曜日

メコンツアー5(ストントレン市場)

 
翌日は朝から市場の魚を調べました。
 
その時にまたもや!レアな魚に出会ったんです!
 
コイ科のPuntioplites buluという魚で
 
同属のP.falciferとP.proctozysronの2種はよく目にするのですが、
 
このP.buluは非メコン水系では見ていたものの、
 
なかなかメコンで出会えない魚だったんです。
 
カンボジア水産庁でも過去にある町の市場で見た程度だったので
 
ホントにメコンにいるのか?疑問でした。
 
 
この市場にはもう何年も通っているし、
 
しかも、この時期はよく来る時期なのですが、
 
今まで見たことがありませんでした。
 
生きものって不思議なものですねー
 
川とはいえ、あれだけ大きな水域ですから、
 
そうそう人の思い通りにはいかないんですかね。 
 
 
しかも、こんなに目づらしい魚なのに
 
この2日間は共に20尾も売られていました。
 
いる時にはいるんですかね?不思議です。
 
 
貴重な魚ですので
 
DNAを後で見れるようにエタノール標本もしっかりと作っておきました。
 
いつか役立てば良いですね。
 
 
レアな魚には出会えたものの、
 
この時期にしてはかなり魚の数が少なく、
 
せっかく来てもらった3人にはもう少しいろいろな魚を見せてあげたかったです。
 
 
それでも、40-50種の魚たちが見られました。
 
下のライギョはカンボジアでは意外とレアなChanna  maruliusです。
 
これも今までで一番たくさんいました。
 
 
こちらは(下)この地ではお馴染みの魚たちです。
 
ナイフフィッシュ(Chitala blanci、Chitala ornata)
 
ブラックシャーク(Labeo chrysophekadion)ではなくLabeo barbatulusなどなど
 
 
 
ミスタスの仲間のHemibagrus spilopterusはやっぱり多いですね。
 
 
 
 
東南アジア特有のナマズ(Phalacronotus apogonやBelodontichthys truncatus)
 
シルバーバルブ(Barbonymus altus)
 
 
Wallago attuやPangasius larnaudiiもいますね。
 
 
いつもながら、
 
この地はカンボジアの中でも魚の多様性の高さを感じます。
 
ただ大きな個体が多いというだけではなく、
 
メコンの恩恵を存分に受けて
 
多種多様な魚が市場に並んでいます。
 
これまでにほぼすべての州の市場を見てきましたが
 
やっぱりここが一番です。
 
 
 
そんなところからか、僕にとっては
 
いつの間にかここがカンボジアでの第2の故郷?になってしまいました(笑)
 
 
日本から来た3人には楽しんでもらえたかわかりませんが、
 
メコンのスゴさが伝わっていると良いですね。
 
 
 


2014年3月28日金曜日

メコンツアー4(ストントレン)

 
途中で見つけた変な実・・・
 
一体なんでしょうねー?
 
身の上に付いた2枚の葉は羽根の様な役割をするのでしょうか?
 
上に投げると、羽根の影響で実を下にしてクルクルと回りながら落ちます。
 
きっと種を存続させるか何かの役に立つのでしょうね。
 
今度、カンボジア人に聞いてみよう!
 
わかったらアップしますね!
 


このルートはトンレサップ周辺などの様な低地ではなく、
 
やや高い森林地帯なので今森の開拓が盛んに行われています。
 
あちこちで開拓した土地に火をつけていました。
 
数年前にトンレサップ西岸のポーサット州の山間部に行ったときも同じ光景を見ました。
 
ラオスの山間部などでは焼畑が盛んですが、
 
この地もそうした土地になってしまのか?と思うとちょっと不安です。
 


 
また、このルートは今年やっと中国の援助で整備され、
 
もう少しでメコンに橋が架かれば、
 
バスやトラックがたくさん走る道路になるでしょう。
 
そうなると、この広大な森も開拓が進むのでしょうね。
 
 
そして、ようやくメコンに着きました!!
 
久しぶりに出会うこの地のメコンは良かったです。
 
明日からの調査が楽しみです!
 
 
まだメコンには橋が架かっていないので
 
従来通り渡し船での移動となりました。
 
この船に乗っているといつも思うのですが、
 
老朽化が進んでいるので沈まないか心配になります(笑)
 
 
 
でも、この船に乗るのもあと1年だと思うと寂しいですよね。
 
カンボジア南西部のコッコンへ行くルートは
 
すでに3か所に橋ができてしまったので
 
今では楽にコッコンまで行けますが、
 
以前はこの様な船でしか先へ進めませんでした。
 
 
こうしたことろからも
 
カンボジアの発展のスピードの速さを感じることができますね。
 
 


メコンツアー3(レアな魚との出会い)

 
このルートを使ってストントレンにはよく行くのですが、
 
プレアビヒアの町の北にある池はいつも素通りしていました。
 
ナゼかというと、汚いからです(笑)
 
ドロドロの池なのでどーも入る気にならないんですよねー(笑)
 
 
そんな池でしたが今回の3人は迷わず「入ります!」と言ってくれました。
 
この3人の選択が後で僕にとっても良い結果が出ることに・・・
 
 
 
 
 
みんながタモで調査をしている間、
 
車の近くで見ていましたが、
 
なんだか投網をしたくなったので、
 
用意をして池に・・・
 
3回目の投網を回収した時の事でした。
 
網に入ってきたのはいつも見慣れているコイ科のCyclocheilichthys armatusかと思いましたが、
 
なんだか魚体の光り方が違うんです。
 
鱗が繊細というか・・・
 
青光りして・・・
 
ヤツとは違う輝きがあったので
 
まさかっ!と思い、
 
バケツの中でその魚の口ひげをチェックしてみると、
 
 
やっぱりー!!!!
 
 
よく見かけるCyclocheilichthys armatusではなく、
 
まさかのCyclocheilichthys heteronemaというヒゲがたくさんあるレアな魚だったんです!
 
 
これにはさすがに興奮してしまいました(笑)
 
 
 
この池に入ると言ってくれた3人にはホント感謝デス!
 
ありがとうございました!
 
今回思い知ったのは、
 
いつも慣れた自分の目線だけで水域を見つめている悪いところが出たようです。
 
これを機にもう少し違う感覚を自分の中に取り入れないと
 
出会える魚にも出会えない確率が高くなってしまうという教訓を得ることができ、
 
今後の調査時に役立てられるようもう少し柔軟な頭に切り替えなくてはと思い知らされました。
 
 
 
 
その後も数か所小さな水域を調査しながら進みました!


 
最後の方はさすがにみんなも疲れてきたのかな?
 
もう少しで目的地のメコンですよー!
 
 


メコンツアー2(ブラックウォーター)

 
シェムリアップ州を抜けてプレアビヒア州に入ってから現れた小さな河川!
 
ここはブラックウォーターだったのでなんだか魚がいそうな気配です!
 
早速、みんなでガサガサやってみました!
 
 
 
僅かにあった瀬のゴロタ石の下から出てきたのはGlyptothorax lamprisです。
 
小さなバガリウスといったところでしょうか。(厳密には属が違う魚です)
 
実際の飼育は難しそうですが、
 
フィールドで見る分には良いですよね!
 
小さな魚ですがメーター級になるバガリウスの面影があります。
 
 
 
 
 
 
 
そしてやっぱりいましたね!
 
この様な条件でよく見られるGarra cambodgiensisです。
 
ガラと言えばフィッシュマッサージの魚ですが、
 
この魚はそこまで慣れるのでしょうかね?
 
ガラの中ではこの魚が一番カラフルで美しい魚です。
 
また、これとよく似たG.fasciacaudaという種もカンボジアにいます。
 
この種は尾びれの両縁が黒いストライプになっているので一発でわかります。
 
 
 
 
ここはカンボジアでは少ないブラックウォーターなので
 
水に入っていてなんだか興奮してしまいました(笑)
 
アクアリストの方にはわかる気持ちですよね(笑)

 
この浅場では小さなドジョウの仲間Schistura sp.たちがたくさん泳いでいました。
 
この魚は底の砂を掘って濁らせると、寄って来るんですよねー
 
 
 
下の写真は10個体近く映っています。
 
可愛い魚です!
 
 
 
・・・とこんな感じで採集をしていました。
 
 
朝7時に出発したにもかかわらず、
 
採集時間が長いのですでに炎天下ですごく暑かったです(笑)
 
きっと3人もしんどかったのでは・・・
 
 
 


メコンツアー1(投網)

 
やっとある程度の調査データを打ち込み終わりました!
 
今回は山口県の水産大学校に所属する魚好きの3人組が参加してくれました。
 
目的地がカンボジア東北部のメコンだったので、
 
シェムリアップ→ベンメリア→スバイレウ町→コーケー→クーレン町→プレアビヒア町→ストントレン
 
というルートです!
 
・・・ということで、せっかくベンメリア遺跡を通るので、逃さずに見学してきました!
 
といっても、みんな遺跡の堀の中を覗いている時間が長かったですねー(笑)
 
さすが、魚好きですねー!
 
 
スリースポットグラミー(Trichopodus trichopterus)やライギョ(Channa striata)、
 
フライングバルブ(Esomus metallicus)などが見られました。
 
 
 
 
そして、スバイレウとコーケーの間で2か所ほど採集をしてみました。
 
1か所目は水量も少なかったのでそれほど採れませんでしたが、
 
2か所目はある程度水がありました。
 
3人は投網をしたことがなかったので
 
採集前に道路で投網の練習をしました!
 

暑い中練習するザキ山ちゃん!
 
せっかく来たのだからいろいろな魚を採ってもらいたかったのですが、
 
残念ながら昨年よりも魚の種類が少なく、
 
5-6種類ほどしか採れませんでした!
 

せっかく、投網の練習したのにごめんなさい!!
 
 
またどこかのタイミングで採れることを期待しましょう!
 


ただいまっ!

 
今回のお客さんも今夜シェムリアップを出発することになり、
 
何とかメコンの旅も無事に終えることができました。
 
 
まだ片付けがまだなので(笑)、
 
落ち着いたらアップいたします!!
 
しばらくお待ちください!
 
 
今回はレアな魚もとりましたよー!


2014年3月22日土曜日

テラピア

 
昔の写真ですが、
 
ネタ的にたまっているものを少し紹介いたします(笑)
 
 
先月、アプサラショーを見に行った際にバイキングにあった魚です。
 
この魚はご存知の方もいるかと思いますが、
 
テラピアという魚です。
 
テラピアというとテラピアかー!と思うかもしれませんが、
 
テラピアはある魚グループの総称で、
 
テラピアと呼ばれる魚はたくさんいるんですよ!!
 
 
日本人的には
 
以前、スーパーの鮮魚コーナーで「チカダイ」などと
 
表示のあった切り身がテラピアです。
 
他には、温泉街の河川でうじゃうじゃしているのもテラピアの可能性があります。
 
他にも比較的暖かい九州や沖縄、
 
本州でも温かい工場排水が流れ込む水域などで見られます。
 
Oreochromis niloticus
 
 
そんなテラピアですが、実は日本の水域でも最低3種類生息しているようです。
 
その中のOreochromis niloticus(ニロチカス)はカンボジアや世界中に広く分布する種です。
 
写真の料理もこの魚です。
 
そしてもう一種がOreochromis mossambicus(モザンビクス)です。
 
こちらは定着しずらいのでしょうか?日本やカンボジアではあまり多くはありません。
 
 
そして3種類目はTilapia zillii(テラピア・ジリー)です!
 
この種は他の2種と属が違い、Oreochromis(オレオクロミス属)ではなく、
 
Tilapia(テラピア属)のようですね。
 
日本ではごく限られた水域にしか定着していないようです。
 
カンボジアの市場では定番の魚となりました
 
 
もともとはこれらのアフリカンシクリッドと呼ばれるグループは
 
アフリカ大陸が原産ですが、
 
特にこのテラピアは途上国などで食糧改善策として導入され、
 
養殖が盛んにおこなわれています。
 
 
 
 
 
魚も世界各地で人を支えているのは確かです!
 
 
 
 
でも、生きもの屋からすると、
 
人の生活を助ける魚ですが、
 
本来いない地域に持ち込むことで
 
今は良くても、未来に大きく影響を及ぼす恐れがあるので心配です。
 
テラピアの養殖池
 
 
この手の話は
 
はじめると、きりがありませんよね!
 
でも、そろそろみんなで考えないといけない世の中になってきたのかもしれませんね。
 
 
カンボジアへ来て魚調査をしている中で
 
日本にいる時以上にそう感じるようになっています。
 
 
 
 
 

水槽管理

 
もうカンボジアを始めて訪問してから14年目になりますが、
 
中華系のレストランの前で水槽を見かけます。
 
オープン当初はキレイで見栄えしますが、
 
ほとんどのレストランでは数か月たつと
 
魚の数は半減し、
 
水槽が汚れて肝心の魚が見えません。
 
せっかく、キレイな水槽なのに・・・
もったいないですよね。
 
日本のアクアリストなら誰もががっかりするでしょうね。
 
今まで見てきた水槽の半数はポンプもまともに動いていません。
 
これらの水槽はあくまでも活魚を売りにした商売なので
 
いかに新鮮でいきの良さをアピールするかがポイントだと思うのですが、
 
それを実行する店は数少ないんですよねー。
 
 
下の写真はホテルのロビーに設置された水槽で、
 
南米のレッドテールが2尾入っているのですが、
 
1か月前と大きさがほとんど変わっていません。
 
この時期であれば1月で相当デカくできますよね。
 
すでに1尾はガリガリで衰弱しています。 
 
 
何とか復活して元気になってくれるといいのですが・・・
 
 
 
ホントは水槽や魚の管理って意外と簡単なんです。
 
しっかり、定期的に掃除して、
 
しっかりエサをあげて、
 
しっかり機材を管理すれば、
 
いつでもキレイでその空間を彩ることができるんです。
 
 
水槽と魚が好きな日本人にとっては
 
カンボジアの水槽をもう少し・・・と思ってしまいます。
 
 
早くアクアリウムの質が上がるといいなと思う今日この頃です。