2012年5月3日木曜日

市場の魚シリーズ13(バルブ)


今日も市場シリーズです。

今日は皆さんもよく知っているバルブの仲間です。

ショップではシルバーバルブやイエローフィンバルブなどで呼ばれる魚がいます。

アロワナやダトニオなどの大型魚と混泳させるアクアリストは多いと思います。

(分類上幾つか候補となる学名があるますが

今回は僕が使っている文献にしたがっています。)



この2種の区別はすぐにつくと思いますが、
このうちのシルバーバルブとよばれる種には2種類いることをご存知ですか?
ショップによってはティンフォイルバルブという名も使われることがあります。


下の写真2枚は別種です。

上がBarbonymus altusで
下がBarbonymus schwanenfeldiiです。

どこが違うかわかりますか!!


ぱっと見で違うのは尾びれの上葉と下葉の縁に沿って黒いラインがあるのとないのがいますね。

その他は一見すると同じ様ですね。

他には側線鱗数が違うことなどですぐに同定できます。

でも、ショップで見られる個体の中で中途半端な個体を見かけることがあります。

みなさんもそんな経験はないでしょうか?

詳しい事はわかりませんが、2種のハイブリッドではないかと思う事がよくあります。

実際にカンボジアで見る天然個体は迷うことなく別種だと分かります。


そして、カンボジアではこの2種はまったく違う場所に生息しているのです。

完全に分布域が違うのです。

Barbonymus sltusは低地のメコン・トンレサップ水系に広く分布していますが、

小河川や水路にはほとんど進入しません。(雨季は進入する可能性もあります)


一方の Barbonymus schwanenfeldii もメコン・トンレサップ水系に生息しますが、

主に山間部に多く見られます。(実際に低地では見たことがありません)

また反対にメコン水系に属さない水系では山間部から汽水域まで広く分布しているのです。


この分布状況がどのような要因で分かれているのかは不明ですが、

昔からよく知られるこの魚は意外とミステリアスな魚なんですよ(笑)

またこのうおの特徴である赤オレンジの鰭は他のどのコイ科バルブよりも

ひと際目立ち、美しい魚だという事をカンボジアへ来て再確認させられました。


この魚のどちらかをお持ちのかたがいましたら、ぜひ可愛がってあげてください!!



次回は下のイエローフィンバルブに迫ります!!




ダトニオは今日も落ち着いています。

餌はまだまだですね。

薬浴はもうしばらく続けます!!

0 件のコメント:

コメントを投稿