2013年10月15日火曜日

豆知識おすそ分け(さんまいりん?!)

もう、数か月前のことですが、
 
我が家の食堂「ボティアライフ」にプノンペンの大学の先生が訪問してきました。
 
その先生と一緒に来られた方々は信州大学と岐阜大学の学生さんでした。
 
早速、お話を聞くと、農業や漁業とそこで暮らす人々に関する研究をされている方々で、
 
魚をやっている僕の話も聞きたいということでお話しさせていただき、
 
今後何かの縁があればお互いに協力していきましょう!と
 
いう話で盛り上がりました(笑)!

 
ここまでの話は実は前置きで(笑)、
 
その話をの中で今回とても興味を持ったのは
 
岐阜大学の学生さんが研究されている「さんまいりん」という場所とその役割です。
 
みなさん、
 
「さんまいりん」って知っていますか?
 
正直、話を聞いている最中もその言葉の漢字が分かりませんでしたが、
 
最終的に教えてもらい理解することができました。
 
 
さんまいりんを漢字で書くと、「産米林」だそうです。
 
 
詳しくは岐阜大学の研究チームが書かれた下記の説明文をお読みください。
(一部抜粋させていただきました)
 
タイの東北部からラオス平原地帯には天水田が広がる.水田の中には多数の樹木が見られる.樹木が多いところでは,まるで林の中にイネが育てられているように見える.このような景観を「産米林」という。高谷らによる定義は,森林として登録されている土地で米づくりを行っている水田,である.従ってこの定義は単なる景観を指すものではなく,農業統計上の分類項目として新たに提案されている水田の一つの区分である.ではどうしてそのような「森林」の中で米づくりを行っているか?このような森林(国有林)では伐採業者によって価値の高い巨木が切り出された際,伐採に必要な道路が作られ整備がなされた.農民がその後に下生えを刈り払い,イネを植えるようになった.森林局によって米を作ることは許可されているが水田内の木を切ることは禁止されている田として農民に利用されている.1930年代にはこのような田はほとんど存在しなかった.比較的近年まで林であったところに,この当時急速に米づくりが侵入してきた状態を,高谷らは「産米林」と称したわけである.
現在では,上空や道路際から見れば森林だが,一歩中に足を踏み入れると水田であった,というような「産米林」はほとんど見ることができない.このページの写真にも示すように,農民が水田に植えた竹やマンゴーの樹木類も含めて「産米林」として,定義を広げて用いられることが多く,このページでもそのような使い方をしている.
 水田のイネの立場から見れば,群落の上にそびえる樹木があることで何らかの影響があることは明らかである.林の中か孤立木の下なのかが単に量的な違いではないであろうことは容易に想像されるが,具体的な中身,起きている現象についてはわからないことが多い.このことが産米林研究プロジェクトに着手した契機ともなっている.
http://www1.gifu-u.ac.jp/~miya/tree&rice/treericeopen.htm


・・・というのが産米林です!
 
 
ここでいくつかの驚きもありました。
 
例えば、30年代までは産米林エリアが存在しなかったというインドシナのコメ事情や
 
農業統計上の分類項目としての言葉だという点、
 
そしてその成り立ちと実際の生態系に及ぼす影響力などに興味をもちました。

 
上の写真は僕が以前に定点観測に使っていた場所で単に
 
「典型的な水田」なのですが、ヤシの木などが水田の畔にあるので、
 
産米林といえるか分かりませんが(笑)、たぶん産米林ですよね?
 
 
上記の説明にはこの産米林が形成されるプロセスが書かれていましたが、
 
いまカンボジアではまさにそのような光景が各地で展開されています。
 
また、私たち人が森を開発した結果出来上がったものですよね。
 
そう考えると、普通の水田も産米林も地形やきっかけが違えど、
 
人が生み出した環境ですから、かなり似ていますよね。
 
でも、生きものの生態や環境の観点から見ると、
 
平面の水田とそれよりも立体的な産米林とでは確かに違った
 
環境を生み出していると想像できますよね。
 
木々があることで、
 
農作業する人が日陰で休めます(笑)し、
 
鳥や牛、水牛などの大型動物が集まり、
 
そこに糞をすればそれが肥料となり多くの生きものたちが活動するきっかけになります。
 
木々の他にも高さ2mを超すアリ塚などもあります。
 
 
水と背の低い草木だけの場所に大きな木々があれば
 
そのエリアの生態系の幅は広がり、
 
生きものの多様性は増すのは明らかなことです。
 
 
そう考えると、産米林に対する興味は増す一方ですね(笑)
 
 
この産米林という言葉を知ってから少し水田地帯の風景の見え方が
 
変わってきたように感じます(笑)
 
この分野は専門でないので深くは入れませんが、
 
これからも興味をもって見て感じていきたいと思います。
 
 
皆さんの近くの水田には産米林のような場所はありますか?
 
ぜひ、探してみてください。
 
 
 
 
 
 
 

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