2017年5月8日月曜日

魚マップから(Labeo)


魚マップを種ごとに一つひとつ作っていると、

お~やっぱり!・・・という地図がいくつも出来上がってきます。

そんな特徴的な魚をいくつか紹介します!!




先ずは、

アクアリストの方はよくご存じのブラックシャークこと、

東南アジアを代表するコイ科のLabeo chrysophekadion です!

見た目は真っ黒な魚でカンボジア名はトライ・カアエクといい、

カラスウオという意味で呼ばれています。

この魚は気が荒いので有名で

狭い水槽での混泳はケンカのもとになるので避けたい魚ですよね。


この魚の採集地点が下の地図です。

トンレサップ湖、トンレサップ川、メコン河(南側)にいますね。

このことから、

トンレサップ湖を中心とする氾濫原の

低地に分布していることがわかりますね。

国境付近の山間部からも出ていません。




そして、こちらは上の魚と同属のLabeo barbatulusです。

パッと見ではどちらも同じ魚のようですが、違う魚なんです!!


こちらの地図が下にありますが、

一か所トンレサップ湖とメコンの合流点のプノンペンで確認されていますが、

その他はすべてメコン河(北側)に集中していますよね。

メコンの北側と南側は同じメコンでも

地形が大きく違い、

北側は岩礁地帯が多く、傾斜がややあるので流れも速い水域が多いのですが、

クラティエからコンポンチャムにかけての区間を境にして、

南側は緩やかな傾斜なのでゆったりとした流れの水域が多いんです。


この2種はそれぞれ適した生息域を選び

それぞれ違う環境下で生きているという事がわかります。


なぜ彼らがそれぞれその生息域にいるのか?

については生物進化についてもっともっと話さないといけないし(笑)、

現在もいくつかの説があるので僕も何とも言えませんが、

少なくとも今はこの様な分布をしているんですよね~


いきものを見つめると不思議だらけです(笑)


0 件のコメント:

コメントを投稿