2015年6月29日月曜日

幻の魚

 
数日前の事ですが、
 
メコンへ調査に行っている水産局のパナラーさんから
 
Pangasius sanitwongseiを見つけた!という内容のメールがありました。
 
Pangasius sanitwongseiは日本のアクアリストさんたちにとっては
 
古くから馴染みのある魚だと思います。
 
学名ではあまり馴染みがないかと思いますが、
 
パールンやパールムなどの名で流通しているので
 
この名を聞けばわかる方も多いのではないでしょうか。
 
 
アクアリウムの入門本などでもとりあげられるくらいの魚なので
 
現地へ行けばいくらでもいるでしょー!と言いたいところなんですが、
 
実はインドシナ全体で見ても今ではとてもレアな魚なんです!!
 
この情報は日本のアクアリストさんにとっては意外だと思います。
 
でも、冗談ではなく本当なんですよ!
 
 
実際、僕は15年カンボジアで魚採りをしていますが、
 
一度も採ったこともなければ漁師さんが採ったことろも見たことありませんし、
 
何百回と通った各地の市場でも出会ったことはありません。
 
 
ただ単に他のパンガシウス属の魚と区別がつかないわけではありません。
 
もし、出会えば必ず見つける自信はあります(笑)
 
そのくらい希少種なんです。
 
 
おそらく、日本や世界中に出回る10cm程の個体は
 
すべて養殖ものだと思います。
 
 
この魚はカイヤン(Pangasianodon hypophthalmus)や
 
パーテーホー(Pangasius larnaudii)などと同じパンガシウス属の魚ですので
 
よく似ていますよね。
 
もちろん、見慣れれば遠くからでも一目でわかりますが、
 
心配な時はちょっと口を指で開けて、
 
上顎にある小さな歯の形状を見ればだいたいの種がわかるんです。
 
特に、このパールンは肉食性の気の荒い性格なので
 
この歯は長くて鋭く、魚を捕まえたら放さない!というような歯をしています。
 
そんな魚が見つかったのはとても嬉しい情報ですよね!
 
密かにもう絶滅しかけているのでは?
 
・・・と思うくらいで会わない魚だったのでいつも頭の中でどんなところで、
 
どんな風に泳いでいるのか・・・?なんて事を
 
想像したりもしたくらいです(笑)
 
 
ホントに良い情報でした!!
 
そう考えると、Datnioides pulcherもきっとどこかにいますよね!!
 
出会うのが楽しみです。
 
 
 
 

2015年6月27日土曜日

フォーバーダトニオ情報入る

 
先週の事なのですが、
 
水産局のプロジェクトメンバーがメコンへ調査へ行っているのですが、
 
そこで、フォーバーダトニオが採れたと連絡が入りました。
 
頭の辺りに傷があるのでおそらく刺し網での捕獲だと思いますが、
 
700gくらいあるそうで卵ももっているとか。
 
今月いっぱい現地に滞在するのでどうやってストックするかアドバイスを受けたので
 
今ある器材で何とかストックできるように話をしました。
 
 
 
この個体がどうなるかはわかりませんが、
 
無事にプノンペンまでもって帰れるといいですね。
 
 
魚調査は地味でコツコツやらないといけない部分も多いので
 
派手な仕事ではないですが
 
なぜか楽しい仕事です(笑)
 
 


6月の授業

 
今月もアンコールクラウ村にあるバイヨン中学で授業を行ってきました。
 
この授業も8回目であと2回で一年目が終了します。
 
そんなことで、
 
そろそろ授業内容も自然環境を守っていこう!というテーマにもっていけるように
 
しないといけないので締めの段階に入りました。
 
そこで、今回はまず食物連鎖について4種類の生きものを例に挙げて
 
ピラミッドなどを書きながら生きものはみな種類は違っても
 
自然界では「つながりやバランス」があって
 
それが保たれているから豊かな自然環境があるんだよー!・・・と伝えました。
 
 
その後で、
 
実際に子供たちの村の環境に目を向けてもらいたかったので、
 
先月行った水辺の生きもの調査で捕まえた生きものの中で一番好きな生きものを
 
1種類だけ小さな紙に絵を描いてもらい、
 
それを白紙のピラミッドの中に自分の描いた生きものが
 
どこに位置する生きものなのか考えて貼ってもらうように伝えました。
 
 
・・・でも、
 
順番に貼ってもらうと、
 
なぜかみんな一番下の端っこから貼り始めるんです・・・
 
 
本来ならば、
 
例えば肉食性で大型のライギョの仲間やナマズなんかは一番上に貼られるはずですし、
 
2cm程の小型魚や小さな昆虫やヒルは下の方に来るはずなんですが・・・
 
・・・こちらが期待していた回答が得られなかったんです。
 
例え話をした段階まではみんな理解してくれていたのはわかったんです。
 
でも、それがいざ!村の水辺の生きものとなると、
 
その応用がきかない?のか?
 
違う話の様になってしまうんです。
 
この解答で一瞬にして僕は凹んでしまいました(泣) 

 
人に伝える事の大変さをこれまでの人生で一番強く感じた出来事でした。
 
なので、気持ち的にも完全にへし折られました(笑)
 
正直、次回の授業が怖いくらいです。
 
ここはもう一度気持ちを入れ替えてじっくりと
 
何がダメなのか見直さないといけませんね。
 
 
 
そう考えると、
 
学校の先生は強いですよね~
 
こんな事ざらにあると思うのできっと強いハートをもっているんでしょうね。
 
 
久しぶりに叩きのめされた感満載の一日でしたっ!!

アロワナ池の近況(やっと見えた!)

この日は池に追加するテラピア稚魚を数えてアロワナ池に放流しました。
 
池を立ち上げた段階からテラピアの親魚を入れているので
 
 
自然繁殖してエサがある程度自然供給されるまでは
 
しっかりと補充しないといけません。
 
でも、意外とその計算が難しいんですよね(汗)
 
水槽飼育の場合は魚が見えるので調整できるのですが、
 
池となると、予測して数を供給しないとアロワナも育ってくれませんし、
 
ケンカが始まってしまいます。
 
 
上の写真はお婆ちゃんがテラピアを数えていることろです。
 
そんな最中に、何度かおばあちゃんがバケツの脇にあるタニシをいじるんです(笑)
 
なんでかなーと思っていましたが、
 
実は数を間違わないように100単位でタニシを置いて
 
数えていたんですね(笑)
 
昨年、アロワナ稚魚を育てるために種苗生産農家に行ってテラピアを購入した時は
 
たしか、壁にレンガの破片で棒をひいて百単位で数えていたのを思い出しました。


原始的なカウント方法ですが、
 
間違わなくて良いのでグッドアイデアですよね!
 
 
でも、テラピアを買ったつもりなのですが、
 
中にはフライングバルブ(Esomus)やイエローフィンバルブなども混ざっていて
 
適当だなーと思って見ていました(笑)
 
 

 
そのエサを池に投入すると、
 
アロワナの活性が上がり、時々水面に姿を見せてくれました!!
 
下の写真の赤い魚のロゴマークの上あたりに写っています。

 
久しぶりに数個体確認できたので良かったです。
 
動きもすっごく俊敏で岸際に追い込んだテラピアを捕まえていました。
 
 
その後、池の周りを散策してみると、
 
テラピアの稚魚もうまれているのを確認できました。
 
この群れだけでも500尾は越えていそうです。
 
この様にして池内でテラピアが自然繁殖してくれると有難いんですよね。

 
こちらは3-4cmほどのテラピアです。
 
次回の補充の時期をどうするか考えるのが大変です。
 
でも、少なすぎるよりは多い方が今回の場合何かと良いと思っているので
 
少し多めに補充していく予定です。
 
 
この池とはしばらく付き合うことになるので
 
いろいろとそこからも学んでいけたらいいですよね。
 


2015年6月24日水曜日

アロワナ池近況

 
アロワナ池には撮影があったため3日ほどいけない状況でしたが、
 
今日様子を見に行くと、池の幼魚は問題ない様でしたが、
 
先日収容したばかりの親魚池の1個体が斃死していました。
 
 
すごく残念ですが、
 
こればかりはやってみないとわからないので
 
攻めた結果ですので、しっかりとこれを経験として次に活かせるような
 
展開に持っていきたいと思っています。
 
 
明日、明後日に再度訪問していろいろと池のチェックをしようと思っています。
 
また、研究室に収容している今年生まれのアロワナのエサがなくなってきたので
 
あわせて、エサも購入予定です。
 
 
 

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まだまだ問題が起きそうですが、
 
それを一つ一つクリアしていくようガンバリマス!
 


撮影終了

 
予定していた撮影も無事に終わりました。
 
今回はトンレサップ湖の漁村でしたが、
 
ギリギリ雨も降られず、楽しい時間を過ごさせていただきました。
 
 
詳細はまた追ってご報告させていただきます!
 


2015年6月20日土曜日

明日はトンレサップ湖

 
明日と明後日は仕事でトンレサップ湖へ行ってきます。
 
シェムリアップ近郊のトンレサップはそれほどよく行く場所ではないので
 
良い機会だと思って楽しんできます。
 
明日は下見なのですぐに帰りますが、
 
明後日は本番で漁師さんと漁へ行く予定です。
 
どうなるかはまた今度アップしますね!!
 
何事も楽しんでやらないといけませんよね。


パンガシウスの出荷

 
先日、センターでアロワナの管理作業をしているときに、
 
偶然センターにパンガシウスを買い付けに来ている人と出会いました。
 
このセンターではパンガシウスの種苗生産はあまりしていないのですが、
 
なぜか数日前からFRPの水槽に収容されていました。
 
いつどこで作っていたんでしょうね?(笑)
 


この魚はパンガシウスというよりは
 
今はパンガシアノドン(Pangasianodon hypophthalmus)ですね。
 
日本だとカイヤンの名で知られる魚です。
 

 
サイズは50mmから10mmくらいと差があるので
 
買っていく人はあとで大変だろうなーなんて考えながら見ていました。
 
しかも、扱いが半端なく雑で擦れまくりです(笑)
 
この後元気に育ってくれるといいのですが・・・
 
 

2015年6月19日金曜日

アロワナ池の様子

 
気付くと、このセンターには週5回くらいのペースで通っています(笑)
 
やっぱり心配になってしまうので
 
ついつい通ってしまうんですよね(笑)
 
 
でも、これまでは行ってもアロワナの姿があまり見えなかったので、
 
生きているのかどうなのかがあまりわからなかったんです(汗)
 
 
でも、この日はじっとしていると水面に上がって来て悠々と泳ぐ
 
アロワナの姿が良く見えました。
 
さすがにすべての数までは確認できませんでしたが、
 
たくさん泳いでいる姿を見ることができました。
 
みんなすばしっこくて元気そうでしたよ!!

 
毎月、釣りでもしてちゃんと元気かどうかを確認しないと
 
いけないかなーなんてオイシイ作業を考えています(笑)
 

コンクリート池にネット設置

この日は続いてアロワナの飛び出し防止ネットを作って設置しました。
 
大丈夫だとは思うのですが、
 
初歩的なミスで失敗するわけにはいかないですからね。
 
家にある塩ビパイプやネットも使って作りましたが、
 
やはり足りなくて追加で購入しました。
 
 
これがあれば
 
他の魚種を管理する際にも使えるので何かと役立ちそうです。

 
この日はすっごいスコールが降ってきたのでびしょびしょで作業しました(笑)
 
これからカンボジアも雨季の季節です。
 
しばらくはびしょ濡れになる日が多くなりそうです(笑)
 
 

アロワナ移送完了

 
昨日、続けて2個体のアロワナ成魚をセンターのコンクリート池に移送しました。
 
 
これでこちらもどこまで上手くいくかわかりませんが、
 
これである程度の準備が整いました。
 
ともかく、この一年様子を見ながら
 
一つひとつ問題を解決しながら進んでいこうと思います。
 
 
 
 

2015年6月17日水曜日

アロワナ親魚収容

 
昨日はテストで1個体だけアロワナの成魚を池に収容しました。
 
 
我が家の研究室は狭くて
 
他の魚も収容しないといけないのでもうそろそろ収容スペースを確保しないと
 
いけないなーと思っていたことろで、
 
この施設が利用できたのでとても運が良かったです。
 
水槽内での繁殖も可能ですが、
 
池内での繁殖に興味があるのでこの場をかりて実験できればと思っています。
 
そして、この個体群の繁殖経験を活かして
 
今ストック中のチビアロワナの系統保存へもつながるようにしないといけないですよね。


作業が終了した後、
 
オフィスで仕事がしたかったのですが、
 
おじさんがいなくて(笑)、池の横にPCを開いて1時間ほど辛い姿勢で
 
作業をしました(笑)
 
その後おじさんが帰ってきたのでオフィスでの作業もできました。
 
まだまだいろいろありそうですが
 
がんばります!
 
 

池準備

 
一昨日は予定通りアロワナ親魚用の
 
コンクリ池の掃除などをして準備を整えました。

 
排水の立ち上げ配管がちょっと弱いので
 
トラブルが発生しやすい構造ですが、
 
ちょこっとだけ改良も入れて何とか使えることろまで来ました。
 
水位は75cmに設定しました。 
 
水位が高すぎると飛び跳ねる危険があるので
 
120cmある水深ですがこのくらいに抑えておこうと思っています。
 
もう少し様子を見てもしかしたらネットを設置しないといけないかもしれません。

 
そして、飼育水のシステムですが、
 
ここにはろ過システムが無いので
 
施設外から取水した水を研究室の上にある貯水槽に溜めこんで
 
その水を重力を利用してバルブ調整しながらコンクリート池に給水しています。
 
でも、ちょっと貯水槽の水が汚いんですよね(笑)
 
エアレーションもしていないので、淀んだ感じがあるんですよね。
 
 
なので、流水での飼育は不可欠です。
 
水温は30℃、pHも7.4なので問題はなさそうです。
 

 そして、ちょうど隣の池にテラピアの稚魚が入ったので
 
ブロアーが動いていたのはラッキーです!
 
実際はいつまで動かしてくれるかわかりませんが(笑)、
 
使える間は使いたいですね。
 
これで、どうなるかはいつもの様にやってみないとわからないですよね!
 
これからです!楽しんでやってみます!!