2012年1月31日火曜日

ダトニオの水槽が割れちゃいました

実は昨日の事ですが ポタッポタッ と水が滴る音が部屋で聞こえました!

まさかー!!  と思って全部の水槽をチェックしたら

Datnioidesu pulcher と D.undecimradiatus とアロワナが入っている水槽の

底面に長い亀裂がーーーー!!

これまでにもカンボジアでは何個か水槽を割ることがありましたが、

いつも焦りますね(笑)






カンボジアには以前にも書きましたが、既製品の水槽が売ってないので

すべてガラス屋さんでオーダーメイドしなくてはいけません。

サイズやガラスの厚さや使いやすい様な仕様に!


でも、結局はガラスを切ってシリコンではりつけるだけなので

水槽の歪みなどは運に任せるしかありません(笑)





魚たちは空いている水槽へ引越ししました。

今週末から数日遠征に行くので少々気がかりです。

たぶん新しい水槽は遠征から帰ってきた後の注文になりそうです。

なんとか頑張ってもらいたいところです。




不安そうなダトニオが愛らしいですねー!!



2012年1月30日月曜日

アクアリウム・バー YOKOHAMA



シェムリアップの中心にあるレストラン&バー YOKOHAMA !

オープンしてちょうど1年が経ちました。

このお店には水槽があるんです!!そして魚たちがいるんですっ!

実はこのお店のオーナーさんから立ち上げ前に水槽を設置したいと相談があったんです。

アクアリウムの事なら専門だったので即答でOKしました(笑)


店内には2mと120cm水槽を設置してアクアリウム感を出しました!

中でもオーナーのこだわりは流木です。

オープン前に二人で山のふもとを流れる川へ行き、100kgくらいあるカッコイイ流木を拾ってきました。でも、大きすぎて入らず、泣く泣く鋸でカットです(笑)


店内には余った流木を使ったディスプレイもありなかなか良い空間のバーですよ!
また2Fにも玉石を敷き詰めた座敷もあります。(とてもキレイです)




オープン当初は2m水槽にコイ科を中心とした中型魚をいれ、

手前の120cmにはラスボラなどの小型魚をいれました。

もちろんすべてカンボジアで採った魚たちです!

カンボジア全土から集めてきたのでそれなりに見ごたえがあるかと思います。

中には皆さんもほとんど知らないような魚も収容していますよ!!

現在、120cm水槽にはボティアやコイ科の小型魚と共に

グリーンアロワナ(今は30cmくらいです)をメインに泳がせています。

こいつはまったく小型魚を食べないお利口さんなのでキンセンラスボラでも混泳可能です(笑)



ライトは既製品がこの国には売ってないので、一から作りました。

デイライト40w2本と20wの青色を2本組み込んだのでスイッチ一つで何段階かの
色をコントロールできます。

自分の家ではやらないのですが、お店にはぴったりですよね!

もし、アンコールワットを観に来られる時があれば是非立ち寄ってください!!







Esomus metallicus フライングバルブの生命力



Esomus metallicusは皆さんご存知のフライングバルブの仲間です。

カンボジアでは普通に見られる種で低地のクリークや湿地、水田など身近な水域に多い種類です。

文献によるとEsomus属では2種がカンボジアに生息しているようなのですが、

私の調査では本種しか見たことがありません。



この魚、とても生命力の強い魚なんです!

下の写真は家のすぐそばにある川の水門付近ですが、

たくさんのEsomusが流れの中で一生懸命に泳いでいるのを見つけました。



上の写真の右端のしぶきが飛んでいるあたりで数尾がジャンプしています。
もうひとつは写真中央の岸際を数尾の群れが遡上しています!



本種は氾濫原とよばれる低地で真っ先に生息範囲を拡大する種の代表的な魚です。

雨季に入り水辺が拡大し始めるとその末端で我先にと先頭を泳ぐのがコイツです。

キノボリウオやスリースポットグラミー、クローキンググラミーなどもその仲間ですね。




そして、雨季が終わり、水辺が縮小してくる時に最後まで頑張るのもコイツです(笑)

下の写真は水田地帯のど真ん中の小さな水たまり(直径50cmくらいです)で

本種が泳いでいる様子です。

水深はわずか5cmほどです。

ウキガエルも一匹写ってますね。

水温は確か38℃くらいありました。

恐るべしエソムスです。



来月の初旬に海岸線沿いに点在する島へ調査に行って来ます。

小さな島ですが、小川が4本くらいある島を見つけたので未だ見ぬ魚を求めて

頑張ってきます。

実は島に注目したのは初めての事で何で今まで考えなかったのか不思議なくらいです(笑)

たぶん汽水性のゴビウスがメインになるかと思いますがとても楽しみです!

これもアップしますね!!

(調査時間以外はたぶん釣りをします。ターゲットはルアーで釣る小物です。)

2012年1月29日日曜日

Betta primaのフィールド4


今回がこの特集の最後です。

以前に書いた魚たちの写真をアップしておきまーす!





この川には10cmくらいのウナギの様なヤツがいるのですが、これまで採集に行くといつもこいつが採れます。ずっと普通のタウナギかと思っていましたが、日本にいる友人(ナマズマニアの中でもとびきり凄い人です)に聞いたところもう一種この東南アジア一帯にいる種があるようで、もしかするとそちらかもしれないとの事ですが、なんせ小さいので同定できる機材と文献がなく困っています(笑)でも、いつか解明したい種ですねー。

網に入っているクララはおそらくClarias cataractusだと思います。
この種は文献が少ないので確かな情報が入りにくい種です。
尻ビレ軟条数や頭長と体長比なども測定しましたが手持ちの分権とはやや異なる点がありました。まだ1個体しか出会っていないのでこれからですが、長く赤いボディはたまらないですね。
この種も日本ではあまり手に入らないレアものなので欲しい方もいるのでは?

Clarias cf. cataractus

稚魚を数十尾咥えていました!

もうしばらくすると調査で地方へ行く事が多くなる予定です。
たぶん4月までちょこちょこ家を空けるので今のうちにたくさん書いておきます。

また、調査の新情報やまだ公開していない写真が山ほどあるので一つ一つ紹介していきます。ベタのスプレンデンスやスマラグディナをはじめ、トンレサップやメコンそして他の山地の魚たちなどなど、暇があれば見てください!

これらの情報をひとまとめにした図鑑も作成中ですので興味のある方はお待ちください!!そちらはこのブログで使う写真以上のものを使っています(笑)
(あと1年くらいかかると思いますが・・・。)

今後もよろしくお願いいたします。

Betta primaのフィールド3




続いて今回も水草写真でーす!

どなたかわかる方がいたら教えてください!よろしくお願いします。









写真の流れのあるような場所ではClarias batrachusClarias meladermaなどのクララやSilurichthys hasseltiのような小型ナマズが見られます。

Clarias meladerma


Clarias batrachusはカンボジアでも養殖に使われることがあるので比較的よく見かける種ですが、Clarias meladermaは山地の河川に多いようなのであまり食用にはされていません。そしてこの種の好きなところは採集した直後の色です。とにかく黒いです。真っ黒です。まさにブラッククララです(笑)いつも平野部の採集でClarias macrocephalusを見慣れているのでとても新鮮です。もしショップで見かけたら観察してみてください。


Silurichthys hasselti

Silurichthys hasseltiはあまり馴染みのない魚ですがナマズマニアにはたまらない種ですよね。こいつは実はまだメコン水系では確認していませんのでかなり生息域は限られているのでは?と思っています。今後のさらなる調査が必要ですね。

一度うちの食堂ではたらくスタッフの子を連れていった時の写真です。
魚観察に熱中していました(笑)



それからもう1つ、カンボジアは大きく雨期と乾季の二つの季節に分けることができるのですが、雨期の豪雨は凄い降雨量なので雨が降るとこの写真の川も濁流に変わります。

特にこの地域は南西モンスーンが海から入って来て最初にぶつかる山脈なのでカンボジアでも最も雨量が多い地域なんです!そんな水域で暮らす魚たちは実にたくましいなーと思う事がよくあります。

小さな個体はやはり自分のテリトリーを確保できないようです。
フラフラ泳いでいます。

その一方で大きな個体は縄張りがあり、岸近くの水草の周辺で
頑張っていました!!何個体化は口内に卵や稚魚を咥えています。

Betta primaのフィールド2


つづいては周辺水域で見られた植物を紹介します・・・が、

水草は得意ではないのでご存知の方いましたら教えてください!!お願いいたします。












湿地のような浅く流れの少ない場所ではホシクサの仲間やタヌキモの仲間などが見られま

す。水草のスペシャリストさん教えてください!!



このような水域でいいところはヒルがほとんどいないことです(笑)

平野部の水路や田んぼなどに行くと数秒でデカいヒルが吸いついてきますからね!


前回の続きをしますと、水中で出会う魚は他にスパイニールの仲間やNandus nandusChanna luciusChanna gachuaなどが多いです。

ここで見られるスパイニールについては少し疑問があるので今後はニューフェースになる可能性もあります。

Nandus nandusはとても有名ですが最近はもうあまり人気のない魚ですね。

でも日本のオヤニラミの様にじっくり飼ってみると愛着がわいてくる魚の一つです。

水中で隠れているナンダスを見つけてゆっくりと近寄り、じっくり観察するといつも一人ぼっちで生活している孤独なヤツに見えてしまい、しばしの間暇つぶしに付き合ってあげます(笑)

スネークヘッドは今いろいろな種が入荷するようになり、人気のグループでもありますが、残念なことにカンボジアに生息するスネークヘッドはあまり人気がありません(笑)

C.luciusC.gachuaもそんな中の一つですよね。でも彼らも現地では頑張って生きていますよ。C.luciusはやや山地の池や河川にいますが淵に潜ると親が10cm程の子供を50尾くらいひきつれてかたまっている姿に何度か出くわしました。ある時、手網で掬えるかと思い2m程の底にかたまっていた群れを追いかけたことがありますが、意外と動きは遅く、一網で20尾程が採れたことがあります。でもこの時は必要ないので逃がしました。

少し成長して単独生活に入った個体は岸際の木の根っこや水草の中に隠れています。

C.gachuaも同様ですが、こいつは最大でも20cm程度までしか成長しないので
とてもすばしっこいイメージがあります。

カラーも水域により微妙に違うことが多く、鰭の縁が濃いオレンジだったりホワイトだったり白みがかった青だったり、とてもキレイです。(別種だったりして(笑))


食虫植物でしょうか?

Betta primaのフィールド1




今回は数年間通っていたカルダモン山系の河川を紹介します!

ここはメコン水系とは別の水系で山脈に降った雨が山の傾斜を縫って海へと流れる

短い河川です。

そのためブラックウォーターの水域が多く見られます。

また、この地域は主に潜水して観察するフィールドに使っています。

でも家のあるシェムリアップからは車で2日かかりとても遠い場所なので

そう気軽に行けないのが難点です。

ここで主に観察している魚はBetta primaですが日本のアクアリストにはあまり人気のない

魚ですね(笑)でも、ゴーグルを装着して水中に入ればそのイメージも一変しますよ!




 水中に入ってすぐに出会うのがRasbora pavieiです。

ラスボラはこれまでに10種類をカンボジアで確認していますがここではこの種だけです。

Rasbora pavieiは数尾から数十尾の群れを形成して中層から表層付近を遊泳しています。

体側に走る濃い青色のストライプが一際際だって見えます。水槽ではなかなか出ない色で

す。


その他のコイ科はPuntius binotatusが見られます。この種はあまり日本のショップで

は見られない種ですが、2対のヒゲと深いオリーブ色のボディはキレイですよ。でもやや気

が荒いのか水槽内で混泳すると喧嘩をします(笑)それでも可愛いですよ。



Betta primaの分布はタイ湾の西と東側(今回のフィールド付近)にかたまっており、

その地域から数百キロ離れたメコン水系のラオス・カンボジア北東部に分布するとされて

いましたが、カンボジア中部のメコン河水系の小河川や私の家があるトンレサップ湖周辺

の小規模の山間部河川でも確認しているので分布範囲はもう少し広がるようです。という

よりも、これまでの3地域のうちの2地域間を埋める形になるので分断された地域がなくな

るということです。

これはまだ調査をしている間のイメージですのでもう少し情報集めが必要ですが・・・

んばります(笑)



ともかく、水中は別世界です!いつもながら人間の生活にどっぷり浸かっている毎日なので水中はやっぱり癒されます!

このレポートは3回くらいに分けて紹介しまーす。

2012年1月27日金曜日

2種類のアルジーター

以前フィールドレポートをした時にアルジーターの話をしましたが、

少し情報不足でしたので追記します!!

下の3枚の写真が前回特集したGyrinocheilus aymonieriです!



 これまでに見た最大サイズは200mmSLくらいです!




そして、もう1種類のアルジーター(Gyrinocheilus pennocki)が下の2枚の写真です!!



下の写真は20cm級のアルジータのカタマリです(笑)

しかも、これをカンボジア人は食べてしまうんですっ!!!

アクアリストとしてはもったいないの一言ですねー!


こちらのG. pennockiは僕の調査ではどちらかというと山間部の清流ではなく、

メコンやトンレサップ湖のような低地の平野部で多く確認しています。

・・・が山間部でも確認しているので一概には言えないんですけどね。


でも、よくよく考えると日本のショップで見られるようなサイズの

個体はほとんど見られないんですよね。

いったい、どこにいるのやら?

調査はこれからも続きます!!