昨日、時間があったのでGPSの記録のために調査へ行ってきました。
今回はトンレサップ湖から1kmほど手前の湖岸地帯へ行ったのですが、
やはり雨季ということもあって川の水量は多く、
魚採りは難しい状況でした。
それでも、わずかにでも水深の浅い箇所があったので
投網を打ってみると、プリストレピスやオステオチルスの仲間が採れましたが、
そのあと、投網を洗うために川の流芯へ網を打つと、そこに入ったのはバリリウスの仲間
Opsarius koratensisでした。
この魚がここで採れるとは思わなかったのでとても驚きました。
この魚はもちろん、コイ科の小型種で、これまでにもカンボジアで何度か採っています。
でも、この魚に出会う場所は決まってやや標高の高い山間部か、
もしくは山間部に入る手前の氾濫原よりも一段高い場所で記録していたので、
トンレサップ湖岸で出会ったことには驚きです。
さらには、今年の初めにメコンの本流でも記録はしていますが、
北部のラオス国境付近なので氾濫原よりは明らかに高い位置です。
そう考えると、この魚だけではありませんが、
このインドシナの魚たちは意外と縦のラインでの分布域はそれほど制限が
ないのかもしれませんね。
少なくとも僕が調査を始めた当初、自分で思い描いていた分布の制限は
考えすぎなのかもしれないと、最近は思うようになっています(笑)
その良い例が今回の魚です。
このほかにもグラスパーチで有名なParambassis siamensisや
Botia modesta(レッドフィンボティア)などもその中の一つです。
これらは低地の氾濫原エリアに多い種ですが、
これでもか!というような山間部の河川にも出現します。
謎は深まる一方ですね(笑)
知れば知るほど確信できるものと、その反対に予測に反した発見もあるので
それが楽しいんですよね!
このポイントまで来るのにどろどろの道を進んできましたが、
いつも嫌なのはまたその道を引き返す帰り道です(笑)
これもカンボジアなので楽しんでやっていきます!!
また新たに記録ができたので今後の調査に反映できるように
頭の中をしっかり整理しておかなくちゃ!(笑)