2012年9月25日火曜日

知り合いのパンガシアノドン養殖池

 
先日、知り合いの方が経営する養殖池の魚が育たないとのことで
 
池の状態と魚の様子を見に行って来ました。
 
 
 
話によると、稚魚購入後4カ月が経過したようですが、
 
出荷サイズまでは程遠いサイズで、大きくならず困っているとのことでした。
 
さらに、その原因が業者に騙されて大きくならない種を買わされたというのです。
 
どんな魚かと思っていましたが、行ってみると、カイヤン(Pangasianodon hypophthalmus)でした。
 
この魚はもっと低地の水が豊富な地域で養殖されることが多いので、
 
こんな町中の一角でこの魚の養殖を見れるとは思いませんでした。
 
実際に池のサイズも思っていたより小さく(20x30mくらい)、
 
浅いため地下水の量も少なく雨頼みの状態の池です。
 
このタモでサンプルを10尾程もらって帰りました。
 
 だまされて買ったというこの魚ですが、
 
簡単な同定作業をしたところ、やはりカイヤンでした。
 
さらにこの属はあのメコンオオナマズしかいないので、
 
このサイズで成長が止まるような種はいません。(パンガシウス属も含めて)
 
ですので、水量と収容密度の関係や実際の給餌量と大きな関係があると伝えました。
 
話によると、3万尾を購入してスタートしたようで、実際、給餌量もスタッフさんに聞くと

思ったよりも少なめでした。

 
なんとか改善していきたいとところです。
 
今後もまたチェックして成長具合を見ていきたいですね。
 
養殖は一見簡単なビジネスに思いがちですが、
 
本当に大変な仕事です。
 
やはり、素人がお金だけ出してできるものではありません。
 
無事に出荷サイズまで1日も早く行くと良いです。
 

 
上の写真は持ち帰ったカイヤンです。
 
しばらくいろいろ調べるつもりです。
 
カイヤンをこんなにたくさん飼ったのは始めてかも・・・
 


今年のシェムリアップ川の状況

昨年の10月はタイの大洪水時期に重なりますが、
 
カンボジアでも多くの地域で洪水が発生しました。
 
このシェムリアップ川も同様で、我が家にも水が来ました。
 
今日は今の川の状態を少し紹介します!
 
下の写真は全てシェムリアップの町より下流(トンレサップ湖側)の風景です。
 
これでも約50cm程水位が減った状態です。
 
一昨日はもっと多かったはずです。
 
 
 
上の写真の対岸に見えるのは堤防が低いところから水が溢れ、町の低いところへと
 
水が流れ出ている所です。下の写真がそのアップです。
 
普段は何でもない道があるのですが、完全に埋まっています。
 
 
 
下の写真も対岸ですが、学校の敷地に水が流れ込んでいる様子です。
 
まさに川です。
 
 
じつはこのシェムリアップ川、下流に行くほど川幅が狭くなっているんです(笑)
 
なので、大水が発生するとどうしても下流は被害を受けるんです。
 
この写真に写っていない両サイドにも川の流れがあります。
 
 
 
川岸に建てられた住居もギリギリですね。
 
一昨日はきっと浸かっていたでしょう。
 
 
下の写真はもうどこが川でどこが森が区別がつきません!
 
 



 
下の写真は橋が埋まる寸前の状況です。
 
昨年の洪水ではこの橋は埋まりました。
 
 
 
 
昨夜、食堂の近くにいるカンボジア人と話しましたが、
 
来月は昨年よりももっと雨が降り、水が来るぞといわれました。
 
 
確かに昨年も一気に降雨量が増加したのは10月中旬頃でした。
 
この1月は注意しないといけませんね。
 
 
でも、昨年の洪水以来、町の上流地点で、川の水を隣のロルオス川へ流す工事をしたそうです。
 
また、我が家のすぐ下流地点の水門も改築し、流量を増やす工事もしたので
 
今年は昨年以上の水が来なければおそらく排水できると思います。
 
魚たちもこの一カ月は心配しているのでしょうか?
 
 


2012年9月24日月曜日

20120924 水田調査

久しぶりにトンレサップ湖岸に広がる水田地帯へ調査へ行って来ました。
 
水田地帯の調査は幅1mくらいの水路か水田内での調査になるので
 
とても地味ですが、体力のいる調査です。
 
ヒルに噛まれるのが嫌いなため、胴長をはいての調査ですから、
 
終わるころにはパンツもズボンも汗でビショビショです(笑)
 
 
 
今回は未記載種と思われるドジョウの仲間(Lepidocephalichthys)を飼育するために
 
採集に行ったのですが残念ながら採れませんでした(泣)
 
今は一番水が多い時期なので採集も結構辛いですね。
 
 
(今回はコンデジをもっていったので写りが悪くてすみません!)
 
 
 
上の写真は水田ですが畦を乗り越えて水が溢れ、
 
田んぼが川に様になっていました。
 
 
上の写真も同様に川状態の田んぼです!
 
田んぼ内は川なので瀬が出現し、そこには流れ好きな魚が集まっていました(笑)
 
 
下の写真は外道ですが(笑)偶然入ったタウナギです。
 
ちょうど写真が欲しかったのでしばらく飼育してから撮影予定です。
 
 

 先日紹介したオムポック・ビマキュラータスの幼魚です。可愛いですね。
 
 
 こちらはコイ科のオステオチルス属の魚です。
 
今回はこのオステオチルス属が数種類採れたのでこれから飼育してチェックしてみます。
 
背鰭の基底部に大きな黒いスポットが入った個体が数匹いたのでそれがとても気になります。
 
 
こちらはもっともポピュラーなミスタス(Mystus mysticetus)の幼魚です。 
 
これから大きくなって河川へと帰るのでしょう。
 
 
 今回も一番よく採れたピグミーグラミーです。
 
こちらも久しぶりのスパイニール(M.siamensis)です。
 
まだ6-7cm程の幼魚です。
 
 
他にも数種類が確認されました。
 
いずれにしても今回採れた個体のほとんどはまだ幼魚でした。
 
まさに水田や水路が魚たちのゆりかごになっているんだという再確認ができた調査でした。
 
いつかは圃場整備がなされ魚たちも簡単には水田内に進入できなくなる日が来ると思います。
 
そのような環境にはなってほしくありませんが、
 
そうなる前に今の記録を沢山集めて資料として納められるように頑張ります!!

 
 
 
おまけです!
 
今日は帰りに半年ほど前タガメの調査依頼で訪れたタガメ池に寄ってみました。
 
当時は思いもかけない日照りで池の水が枯れておりタガメ調査ができなかった池です。
 
それが今ではハスが池一面に繁茂しておりました!
 
まさに自然の力です!
 
来年はタガメがたくさんいる事を祈ります!!(笑)
 
 


市場の魚シリーズ64(Chaudhuria caudata)

 
今回は市場の魚シリーズ64(Chaudhuria caudata)です。
 
先日、水田地帯の魚を少し紹介しましたが、
 
目視ではまず確認できない種の一つにこの魚があげられます。
 
なんともいえない姿をしており、とても小さいです。
 
下の写真は僕の手のひらですが、この魚はかなり小さく、細い魚だということが分かると思います。
 
愛用のタモで掬っても網目が大きいと抜けてしまうので、
 
掬ったらすぐに確認しないとこの魚は採れません(笑)
 

 
とにかく細心の注意をはらわないと見つけられない種の一つです。
 
でも、この魚の生息場所は意外と身近にあり、水田地帯で見られます。
 
 
ですから、先日紹介した学校建設地周辺の水田にもいたかもしれませんね。
 
そんな予測をたくさんイメージすると、
 
採れていない魚が気になり、いつも困ってしまいます(泣)
 
そんな悩みも調査の楽しみなのでしょうか(笑)
 
 
 
 
 
この池は年中干上がることのない池で知り合いのお父さんが所有しています。
 
この数キロ先にはトンレサップ湖があり、この魚もここにいます。
 
 
話は変わりますけれど、この池にダトを2年ほど入れておいたらきっと繁殖するでしょうね!
 
小型の魚はどんどんまわりから進入しますし、餌には困りませんね(笑)
 
水深も3mくらいはあります。
 
でも、実際には入れたら近くに住むカンボジア人に採られて食べられちゃいますからね(笑)
 
なので怖くて入れられません!!


最後に補足ですが、このChaudhuria属にはもう一種類Chaudhuria fusipinnisという種がいます。

この2種はカンボジアやラオスにも分布している種だとされていますが、

僕の調査ではまだChaudhuria fusipinnisは見つけられていません!

早く出会ってみたいですね!!楽しみです。

 
 


2012年9月23日日曜日

コンクリート池設置計画

 
実は2年ほど前から計画していたコンクリート池設置計画がとうとう進みました!
 
以前は近くの知り合いの土地に池をつくり貸してもらう話もあったのですが土に砂が多く
 
含まるなどいろいろな問題でできませんでした。
 
そんなこともあり、家にコンクリート池を作りたいなーという計画があり、
 
デザインはだいぶ前につくっていました。
 
それが2年越しでやっと実現に向けて進み始めました!!(ただサボっていただけですが・・・)
 
 
でも、大家さんの承諾がもらえないとぜったに進められませんので、
 
絶対承諾をもらえるタイミングを待っていたのですが、
 
今日は偶然、土地のことについて話す機会があり、
 
こちらが困るような提案が持ち上がり相談されました。その提案を受けたことで、
 
今がチャンス!とばかりに相談したら、ちょっと苦戦しましたが、
 
なんとかOKをもらうことができました!
 
 
 
 
 
それほど大きなものではありませんが、このサイズの濾過槽付きの
 
池があれば何なりとストックできますからね。
 
 
研究室の水槽では対応不可能な魚もこれまでにいたので・・・(笑)
 
フォーバーを使った生殖腺の成熟試験などで使いたいと思っています。
 
こちらもまた話が進んだらアップします!!
 
 
 


学校建設地にも魚

 
昨日は久しぶりに学校建設のお手伝いに参加してきました。
 
雨季真っ最中という事もあって学校内や周囲を取り囲む水田はすべて水で覆われていました。
 
ここはシェムリアップの大半の土地と同様にトンレサップ湖岸に広がる
 
低地ですので、畑はほとんどなく、その代わりに水田が広大な土地に広がります。
 
 
 
昼休みの始まる少し前に思わずプチ魚調査をし、
 
目視で確認できたのは6種類でした。
 
(フライングバルブ、ラスボラ・ルブロドーサリス、キンンセンラスボラ、プラーチョン、
 
スリースポットグラミー、キノボリウオ、オリジアス)
 
タモがあればクララやクローキンググラミー、ピグミーグラミー、
 
オムポック、アンブリファリンゴドンなどなど、もう少し多くの魚が見れたと思います。
 
 
 
浅く流れのある場所は透明度が高く、
 
じっとしているとラスボラが群れで泳ぐ姿を確認できました。
 
キンセンとルブロは背鰭の基底部にある赤いスポットの有無で
 
水面上から肉眼でもはっきり区別できました。
 
フライングバルブ(エソムス・メタリカス)は地味ですが、
 
動き方が独特ですのでわかります。
 
フィールドでの魚観察はホッとさせてくれる癒し効果があるようです!
 
日淡でもできますので機会があれば是非試してみてください!
 
 
 
 
学校は水田と同じ高さなので校庭(建物以外)は池です(笑)
 
ですので、まさに水上学校ですね!
 
水田にはもうスイレンや田字草などの水草が繁茂し始めていました。
 
水がくれば一気にその勢力を広げる水草たちは魚と同様にホンとに凄いですっ!
 
これは毎年見ていて本当に凄いなーと思います。
 
でも、今年は例年以上に降雨量が少ないので
 
実際にまだ水田に水が入らず、困っていいる地域もあります。
 
ほとんど灌漑設備の整っていないカンボジアの農家にとっては
 
雨季の雨は死活問題です。
 
おそらくは来月にある程度まとまった雨が降り、例年通りの降雨量を確保できるのでは
 
ないかと個人的には思っているのですが・・・
 
私達人間にとって、水は多すぎても少なすぎてもいけないんですよね。
 
 
そこが難しいところです!!
 
 
 
この水田はスリースポットがたぶん数千尾はいます!!マジで凄いです!

2012年9月21日金曜日

市場の魚シリーズ67(Ompok eugeneiatus , Ompok hypophthalmus)

今日もOmpokシリーズです。
 
今日は市場の魚シリーズ67(Ompok eugeneiatus , Ompok hypophthalmus)を紹介いたします。
 
まず、O.hypophthalmusです。
 
この種は前回紹介したO.bimaculatusとは少し違いますが、似ていますよね。
 
でも、この2種に関しては尻びれの軟条数でわかります。
 
本種のほうが多いですね。(59-74に対して76-84本です)
 
 
 
でも、本種は意外と見つけにくく、今まで調査でもたくさん見てきたのかもしれませんが、
 
僕の頭の中の整理ができていなかったせいもあり、
 
調査で確認した地域はまだ少ないです。
 
これからはもっと集中してみていかないと見落としや拾いもれが
 
あるので気をつけないといけません。
 
トンレサップ川です。ここにも本種がいます。
 
 
 
そして次のOmpok eugeneiatusはある日本のナマズ研究者によると、
 
タイでは絶滅に瀕した種であるそうです。
 
そんなことも知らずに偶然、調査途中の町市場で魚の山をじーっと観察していたときに、
 
なんかいつもの魚と違うなーと思い、何個体か購入し、
 
家に帰ってから調べてわかりました。
 
 
それ以降もいろいろな場所で探しているのですが、
 
タイの情報と同じようにそれほど出てくる魚ではないことがわかりました。
 
この手のタイプにはOmpok属以外にもMicronema属やKryptopterus属など
 
ややこしいグループがたくさんいます(泣)
 
ですので、ちゃんと自分の頭の中が整理されていないと、
 
市場や採集で出会っても見過ごしたり、他の種として記録してしまう恐れがあります。
 
特にこの手の魚は難しいので大変です。もっと気合入れないとダメですね!!
 
 
ちなみにこの写真の中にはたぶん4-5種類くらいの魚が入っています。
 
昔だったら、たぶん全部同じに見えていました(笑)
 


2012年9月20日木曜日

市場の魚シリーズ66(Ompok bimaculatus)

 
やっとドジョウからはなれて、今回は身近なナマズです。
 
市場の魚シリーズ66(Ompok bimaculatus)を紹介いたします。
 
Ompok bimaculatusは昔からよく知られたアクアリウムフィッシュですよね。
 
最近はゴールデンタイプが出回っていますよね。
 
 

 このオムポックはカンボジアにおいても低地が多いので広い範囲で見られる種です。
 
もちろん、市場でもよく見かける種ですがよっぽど大きな漁でない限りは、
 
零細漁業とよばれるような家族単位での小規模な漁(簡単に言えば今夜のおかず採り)で
 
採られるので、家庭内で消費されることの方が多いと思われます。
 
 
 
上の写真は幼魚です。
 
まだ20mmくらいの個体ですがすでに大人と同じ姿をしていますね。
 
下の写真は典型的な低地の氾濫原でのリラックスムードのオムポックです(笑)
 
このときは橋げたのコンクリート壁にびっしりくっついていました。
 
およそ40尾ほどだったと思います。
 
昼間はこうして水面近くでふらふらしているのでしょうか?
 
 
 
この魚はそのような水域に生息している種ですので、
 
その水域ではプラーチョン(Channa striata)以外では魚の生態系の
 
頂点に位置する肉食の魚だといえます。
 
逆に言えばそれほど大型のフィッシュイーターがいないって事ですよね。
 
 

日本に入荷する本種はたぶんタイかベトナム産だと思いますが、
 
天然魚であればきっと水域で戦って生き抜いたつわもののはずです!
 
大切に飼育してください。
 
 
 
次回はちょっとマニアックなオムポックを紹介いたします。
 


2012年9月19日水曜日

またまた来ました

今日、TV取材が決まったばかりなのですが、
 
また立て続けに新たなTV取材のメールが来ました。
 
でも、今回のテーマが辺境の地に住む日本人ということでしたので、
 
先方の質問にはお答えしましたが、環境的に選考からもれそうです(笑)
 
 
カンボジアといえば確かに凄そうな場所をイメージしてしまいますが、
 
今住んでいる町は小さいとはいえ、それなりに町なので、
 
日本のTVで見てこれは凄い場所だ!と思うようなところではないですからね。
 
 
こういう話は来ないときはまったくありませんが、
 
あるときにはバタバタっとあるもんなんですね。
 
昨年も同じようにことがありました。(2件ボツになっていますが・・・)
 
 
でも、これは自分が決めれるものではないですし、
 
撮る側の方々が気に入ってもらえればぜひ参加したい企画ですよね。
 
 
日本ではなかなかできない経験をカンボジアでさせていただいているのは
 
本当にありがたいです。
 
 
これもカンボジアへ来て良かったと思えることの一つだと
 
昨夜、嫁と話していたところです(笑)
 
 
来週からの取材結果はまたご報告いたします!!
 
魚調査地を決めなくては・・・ターゲットはどうしよう・・・はずすわけにはいかないですからね(泣)
 
嫁はこういうときとても強いです!(笑)
 
 
頑張ります!
 


ダトニオ保護プロジェクト22

 
 
先ほど、Tシャツ製作にご協力していただいている
 
シェムリアップの雑貨屋さんCafe de SORAさんから連絡があり、
 
Tシャツが仕上がったそうです!
 
でも、タイのお店なので手元に届くのはもう少し後になりそうです(泣)
 
あとは出来がよければ良いんですけどね。
 
 
届き次第、Cafe de SORAさんで販売を開始する予定です。
 
なんとかそこまではスムーズに進めたいですね。
 
 
家のダトたちも元気でやっています。
 
餌食いがとても良く、あと数年は頑張ってもらわないといけませんからね。
 
ダトニオは飼ってみると本当に味のある魚ですね。
 
僕も今では完全にダトニオファンです(笑)
 
 
今回進めているTシャツ販売のお金はすべてDatnioides pulcherに関する
 
調査と繁殖研究に使わせていただきます!
まあ、そんなに売れるものではないですけれどね(笑)
 
それでもその売り上げを調査に使うという意識を持つ事で、
 
調査時の気合の入り方も変わりそうです。
 
こうして高いテンションを保ちながら少しずつですが進んで行きたいです。
 
 
 
これからも応援よろしくお願いいたします。
 
 

取材決まりました

 
先週、突然TV取材の話が入り、昨日取材することに決定しました。
 
取材内容は我が家がカンボジアでどのような仕事や生活をしているか?というものです(笑)
 
ちょっと恥ずかしいですが、嫁さんと相談しお願いすることにしました。
 
 
取材は来週の1週間なので、これから大忙しですね(家の掃除など笑!)
 
 
撮影内容は嫁さんの仕事と僕の魚仕事、そして夫婦で夜営業している食堂です。
 
 
上手くいくといいのですが・・・
 
心配の理由は僕の魚調査の撮影です。
 
今はトンレサップも漁期ではないのでちょっと難しく、
 
まったく別の水域を考えないといけません。
 
 
この数日はマジにならないといけません(笑)
 
 
撮影が上手くいったらご報告いたします!
 


2012年9月18日火曜日

市場の魚シリーズ65(Pangioの仲間と未記載種)

 
今回もドジョウです!(毎回すみません!)
 
今回は市場の魚シリーズ65(Pangioの仲間と未記載種)です。
 
Pangio属は前回も紹介しましたが、その中でも地味なやつらの紹介です。
 
 
 
まず最初はPangio oblongaです。
 
この種はラオス・タイ・カンボジアのメコン水系とチャオプラヤ水系、スンダランドに
 
分布しているのでわりと分布域は広い方です。
 
でも、カンボジアでは意外と見つけにくく、おそらくは広い範囲にいると思われるのですが、
 
なかなか出てきません(泣)
 
まだ腕が甘いんでしょうか?(泣)もっと鍛えないとダメですね(笑)
 
 
大きな特徴は尾びれが切れ込んでいる事と、体色、体長と体高の比などでわかります。
 
尾びれの形状が違う(ラウンド型)ですが、ラオスにはそっくりなP.fuscaという 種もいます。
 
 
 
この2種とはまた違う種が下の2種です。
 
記載している箇所以外にもいくつか違う点がありますが、
 
今のところ手元にある文献ではこれ以上同定できない状態です。
 

 
こちらも、どなたか詳しく研究されている方がおられたら標本提供も考えておりますので、
 
研究してくださると幸いです。よろしくお願いいたします。
 
 
 
パンギオ属は以前紹介したLepidocephalichthys属(ドジョウ)と同様に
 
まだまだ未知の世界だと思います。
 
 
今年はこれらのsp.扱いの個体を再度集めてじっくり飼育してみたいと計画中です。
 
すでに、Pangio sp.2は3ヶ月ほど飼育中です。
 
以前はなんとなく飼育していましたがいつの間にかいなくなったりしていたのですが、
 
今回は生息地の砂を入れて飼育中なので餌食いも良く、
 
スタートしたときの個体数を維持しています。
 
 
さらにはもう一度ホルマリン標本とアルコール標本を作るために
 
再度、採集調査を予定していますが、この季節はポイントに接近不可能なので、
 
年明けになりそうです。
 
 
やりたいことは山ほどあるのになかなか進まないのが現実ですねー!
 
でも、そこを頑張って超えていくのが楽しいんです。
 
1日も早くこいつらの名が決まることを願って頑張ります!!
 


2012年9月17日月曜日

市場の魚シリーズ64(Pangio myersi )

 
今回もドジョウです。
 
市場の魚シリーズ64(Pangio myersi )を紹介いたします。
 
この魚はアクアリストなら知っている魚ですよね。
 
コイツもパンギオ属の魚なんですよ。
 
 
サイズは最大でも10cm程度の小型ドジョウです。
 
このカラーは観賞魚としては最高の色ですよね。
 
とても可愛いドジョウで飼育してみるとわかりますが、
 
意外と臆病ですぐに隠れてしまいます。
 
ですので、観察しようとしてもゆっくり見ることが難しいんですよね。
 
みなさんで上手く飼育している方はいますか?
 
 
 
このドジョウの分布ですが、見つけるのが難しいので、
 
もう13年近くカンボジアの水域を調査しているのにも関わらず、
 
まだ数地点しか確認していません。
 
でも、きっといくつかの条件を備えた水域であれば
 
広い範囲に分布していると考えられます。
 
僕が知っている生息地はトンレサップ水系ですが、
 
汚い?水路からシェムリアップ川などの中小型河川など、
 
大小関係なく生息しています。
 
その中でも、確認できる場所の多くは障害物(ゴミや水草、流木、礫など)が
 
かたまっている場所です。
 
 
 
1尾見つかると、後は同じような条件の場所さえおさえれば、

ボロボロ出てくるのですが、
 
見つからないところではいくらやっても出てきません。

 

生きものを本気で相手にしようとすると本当に謎は多いですよね。

私達は普段魚の調査でも水面上の景色でしか判断できないのですが、

水中に入れば、そこに広がる景色は想像をはるかに超える異次元の世界なんです。

(本当にすごいです。視界に広がる1m四方の範囲でさえ芸術です!)

そんな水中で起きている世界を水上で理解しようってこと事態難しいんですよね。

ですので、タモを1回水中に入れるときも、そのポイントがどのような世界なのかを

いつも想像して手に伝わる感覚を頼りにタモを操ります。

そんなことくらいしか魚の世界には近づけないのかもそれませんね(泣)

 
 
次回はパンギオ属の地味な奴らを紹介します!
 
中には未記載種と思われる個体群も紹介します!

これからも応援よろしくお願いいたします。
 


家の前の川増水

 
我が家の前の川の水位がだんだん増えてきました。
 
連日雨が降るようになったので徐々に増水中です。
 
昨年はこの道も完全に浸かり、家の庭も川の一部になりました。
 
 
 
昨日は知り合いの方と一緒にアンコール・クラウ村という村へ行ったのですが、
 
この町よりも上流に位置するその村は
 
増水が始まっており、道、水田、川が一体になっていました。
 
その時に携帯していったタモ網を使ってプチ調査しました!
 
合計8種類の魚が確認できました。
 
ナンダスの幼魚が1個体混ざって流されてきました!
 
そのほかは大体予想される魚種でした。
 
(ピグミーグラミー、プラーチョン、エソムスm、キンセンラスボラ、デルモゲニー等)
 
 
今年は乾季のときに河川の拡張工事や水を分散するための分水路も
 
造ったので昨年のような洪水はないといわれますが、
 
この調子だとあるかもしれませんね。
 
早速、投網軍団が魚採り中でした!
 
 
今日はホテルの水槽メンテの日ですが、
 
朝から雨だったので天候の様子を伺っています。
 
ようやく雨がやんで落ち着きそうなので
 
午後からホテルへ行ってきます!
 


2012年9月16日日曜日

ダトニオプロジェクト21

昨日、偶然調べていたら、D.プルケールを扱う店(海外です)を見つけたので

今度調査して情報を集めてからコンタクトをとってみます。

まだ確実な情報ではないのでお知らせできませんが、

このプロジェクトを進めるためには親魚の確保は絶対ですからね。

何とか頑張って集めないといけません。

この数ヶ月は魚から遠ざかっていたので学名や採集データなどが頭から薄れ始めていました(笑)

情報はいつも使わないと薄れてしまうんですね!

でも、ここ最近は徐々に自分の頭を切り替え始めているので

眠っていた情報も覚めつつあるようです(笑)!

Tシャツも今頃プリントしている頃だと思います。

早くみたいですね。(きれいにプリントできているといいのですが・・・)

市場の魚シリーズ63(Pangio anguillaris)

最近はドジョウネタが多いのですがせっかくなので、
 
しばらくドジョウを紹介いたします!
 
今日は市場の魚シリーズ63(Pangio anguillaris)です。
 
この魚は大きくても10cm程の小型の細いドジョウですが、
 
市場でも他の魚やエビに混ざり見かけることがあります。
 
 
 
分布域はインドシナのメコン・チャオプラヤ水系からマレー半島、ボルネオ、スマトラ島など、
 
広い地域で確認される種です。
 
僕の調査ではカンボジアにおける確認地点は意外と少なく、
 
市場を除くと、自然水域での確認は数地点だけです。
 
主に河川の流れのある砂礫で確認しています。
 
河川の大きさはそれほど重要ではなさそうで、
 
トンレサップ近くの大河川から、山間部手前のクリークなど、様々です。
 
 
 
Pangio属の同定をする際によく出てくるのが
 
頭長と体長の比です。これだけ長い種が多いので(笑)文献を見るとよく書かれています。
 
今度他のパンギオ属も紹介いたしますが、
 
それらも同様の頭長比をいつも計測して参考にしています。(それ以外にもいろいろ調べますが)
 
 
 
このポイントにもパンギオ属の他いろいろな魚がいるのですが、
 
雨季真っ最中ですので今はこの写真よりも1~1.5mくらい深いです!
 
とてもではないけれど、入れない状態です。
 
 
魚たちがどう生活しているのか見てみたいですよね。
 
昨年の洪水ではこの水位から5mくらい上がりました!!
 
信じられないです!(見えている木々はすべて水中に埋まりました)
 
 
この河川はパイプフィッシュなんかもたくさんいるんですけれど、
 
増水したら森の中の草に引っかかって出てこれなさそうですよね(笑)
 
 
自然のすごさにはいつも驚かされます。