2019年7月12日金曜日

先に向けてできる事


このところ魚ネタがなくて

休みがちになってましたが、

元気そのものです!


そこで以前行った調査地での様子をご紹介します。

今回のテーマは近代化が急速に進むカンボジア経済と

魚の生息するフィールドとの関連性です。


その中でも今回は「砂」ですw

この地の河川底には大量の砂があるので

砂底タイプの河川なのですが、

その砂がこの10年程、

毎日毎日採取されているんです。


大型のポンプ船で川底を片っ端から吸い上げて

大きなタンカーに吐き出します。

その時に金網を通すので

大きな石やゴミとを分離していらないものは

そのまま川に落ちる仕組みです。

残る砂と泥と水がタンカーの船底に貯まっていくのですが、

そこにも太いパイプで水を送り込んで泥を浮かして外に流し、

徐々に砂と水だけになっていきます。

ある程度貯まってくると、

船は沈む直前まで重くなり

浸水ギリギリラインまで作業は進められます。



この砂はどこへ行って何に使われるかというと、

カンボジア各地で建設ラッシュが続いていますが、

コンクリートを使った建設物をつくる際に混ぜられる

「砂」として需要がすごいんです!

この河川にもタイやベトナムの旗を掲げた会社の船がたくさんありました。


漁師さんに聞いたところ、

以前は水深3-4m程の良い漁場だった場所がいつの間にか

8-10mも深くなって魚がいなくなり漁もできなくなったと

語っていました。

確かに10年ほど前からこんな船がよく来たなと思うくらい

大きな船が年々増加して気付けば

砂採取の川となっていました。

そりゃ魚も環境が変わるので姿を消す種もいるだろうなと

思わざるをえません。


ここからの10年はこの河川に限らず

多くの自然が変化する時代だと感じています。

特に行き場の限られた魚などの水生の生きものたちにとっては

大きな問題です。

考えたくはありませんが、

その先には姿を消す種も出てくると思います。


そう考えると、

今、魚屋としてできる事はやらなければと

いうところに目線がいきますよね。

そういう意味でも流れは代えられませんが、

その変化を記録して後世に残すことだけはできる自信があるので

きっちりやっていこうと感じた日でしたっ!




カンボジアの魚採集&釣りフィールド案内はこちらのHPから
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