調査の最終日はすごく良い天気で
暑いくらいでした。
上の写真には手前の両脇に大きな木があります。
この木の裏側には人が村まで歩く道があるはずなのですが、
雨季のために水没してしまっています。
6月末にぐっさんが撮影で来られた時は
ここを歩いたのですが・・・
この時期は歩けません(笑)
村はこの土地ならではの景色をつくっていました。
この村はこの時期が一番カッコよく見えるんですよね。
でも、住む人たちにとっては乾季よりはちょと不便かもしれませんが、
以前、おばさんに聞いたら「雨季の方が良い」って言っていたので
陸で一年中暮らす僕らにはわからない感覚なのかもしれませんね。
今回の調査にはタイのウボンラチャタニから
チャイウットさんという学者さんも参加しており、
調査期間中はいろいろと魚について学びました。
情熱大陸さんの取材時に採集したSchistura sp.の標本も
チャイウットさんの研究室に送ってあります。
滞在期間中には2度も家に来てくださり、
とても楽しい時間を過ごすことができました。
さて、この日の調査も前日と同様に
トンレサップ湖岸に設置された定置網漁の魚をチェックします。
こうして見ると、
トンレサップはデカいですよね(笑)
それでも、今年は水が少ないのですからマックスサイズではないんです(汗)
これまで湖の大きさについては触れたことがないので、
ここで簡単に書かせてもらうと、
日本一大きな湖である琵琶湖の湖面積は約670k㎡です。
そして、乾季のトンレサップ湖の湖面積は約2,500k㎡、
それが雨季になると最大で約15,000k㎡にまで増大します。
乾季でも琵琶湖の約3.7倍
雨季なら琵琶湖の約22倍です。
トンレサップ湖自身では約6倍になるんです。
こんなに水量が変動する湖は世界中でもそうそうありません。
ちょっと変わった湖なんですよね。
湖面積ではデカいのですが、
実は水深は浅いんです(笑)
琵琶湖の最深部が104mなのに対して
トンレサップの乾季の平均水深は1-2m程度
それが毎年約8m増減するので
雨季の平均水深は9-11mくらいしかありません。
湖といってもそれぞれ歴史や誕生の成り立ちが違うので
その湖にしかない特徴をみんな持っているんですよね。
さて、横道にそれてしまいましたが(笑)
1ポイント目でたくさん入ったのは
インド方面から来た外来種のローフーです。
この魚はコイ科のLabeo rohitaという魚です。
元々は商用目的の養殖対象種として持ち込まれたものですが、
僕の調査でも自然水域で捕獲されているところを見かけたことがあるので
徐々に自然水域に広がりつつある種だと思われます。
とはいっても、いまさらどうすることもできませんが、
今後はこうした養殖魚の対策なんかもしていかないと
メコン水系の多様性に大きな変化が現れる可能性が示唆されます。
上はコイ科のCyclocheilos enoplosです。
日本のニゴイみたいですね(笑)
メコンではよく見かける魚の一つです。
上と下に写っている体高の高い魚は
Puntioplites proctozysronというコイ科の中型種です。
この種はトンレサップやメコンなどの広い水域から
その末端にある河川の上流まで進入する魚で
広い水域で見かける魚です。
可愛い姿なのでアクアリウムに最適なのですが、
すごく臆病なのと、一般的なペレットには慣れない事が多く
飼育は意外と難しい魚です(苦笑)
最後はこの日も採れました。
Wallago attuです。
これだけ並んでいるとすごいですよね。
こんな感じで調査は無事に終わりました。
最後にアロワナ池も訪問し、
施設をチームのみんなにも見てもらいました。
実はこの調査中ずっと船酔いしていて
いつものようにテンションが上げられなかったのが
悔しいデス(泣)
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