2015年10月19日月曜日

市場の魚シリーズ94 (Barbonymus gonionotus )

 
今日はすっごく久しぶりの市場シリーズのご紹介です。
 
今日はコイ科のBarbonymus gonionotusです。
 
この魚は日本のアクアリストさんにはお馴染みの魚ですよね。
 
フナっぽい魚ですが(笑)、Barbonymus 属の魚です。
 
バルブといえば馴染みもありますし、
 
特にこの種はバルブの中でもイエローフィンバルブの名で知られています。
 
 
このように日本のアクアリウム界でも一般的な魚ですし、
 
カンボジアでも多くの氾濫原エリアではごく普通の魚として扱われています。

 
カンボジアではもちろん有名ですが、
 
この魚はカンボジアの在来種の中でも数少ない養殖対象種でもあり、
 
各地で種苗生産が行われ、
 
その種苗を使って農家さんや漁師さんが家の池や生簀で養殖を行っています。
 
 
そして、アロワナ池のあるセンターでもいつも暇そうにしているおじさんが
 
この時は人が変わったように
 
せかせかと人工採卵をしていたのでこれを機会にその様子をざっと紹介します。

 
数尾の親魚の卵巣と精巣が成熟して来た頃に
 
ホルモンを投与して人工採卵を行います。
 
(もちろん自然産卵も条件が揃えば可能です)
 
その時に卵を付着させるための産卵基質が上の写真のビニールひもやネットです。
 
日本のコイ科は付着沈性卵タイプが多いのでよく使う方法です。
 
日本だとキンランなんて言い方をするところが多いです。

 
そして、人工授精させた卵を飼育槽の中に入れて
 
卵の発生、孵化、そして孵化仔魚が口を使って摂餌するまでここで管理します。

 
このふ化槽は流水式でゆっくりと水が槽内を回転するようになっています。
 
そして、中央に排水のためのオーバーフローの立ち上げ配管があり、
 
そのまわりを面積が大きくなるように少し広めに細かいネットで覆い
 
仔魚が水と一緒に流れ出ないようにしてあります。
 
この時、ストレーナーの面積が狭くなると
 
吸引力が強くて仔魚が張り付いて死んでしまいますので要注意です。
 
という感じの孵化槽がいっぱいあります。

 
この写真は1か月ほど前のものなので、
 
今ではコンクリート池に20-30mmに成長した稚魚がたくさん泳いでいます。
 
このように養殖に関しては
 
これから避けて通れない魚確保の道かもしれませんが、
 
現在は在来種よりも外来種の方がたくさん扱われている様に思えるため、
 
個人的には在来種を使った養殖が今以上に発展するといいなーと思っています。
 
でも、現実的には小規模な農家さんだと、
 
在来種を扱う場合、生態的な理由からコストがかかるので
 
なかなか思う様な利益が上がらず、
 
利用者が増えないようです。
 
 
なにか良いアイデアが見つかるといいのですが・・・
 
思いもよらない種が思いもよらない管理方法で
 
かかる時間とコストが抑えられる!なんていう日が来るといいですね。
 
 
まだ見えない意外なことろに盲点が隠れている可能性を感じている今日この頃です。
 
 
 

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市場シリーズの紹介はしばらくしていなかったのですが、

目標の100回まであと6ネタなので

これからちょくちょく紹介していこうと思っていますので、

今後もどうぞよろしくお願いいたしますっ!

 

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