こうして、第一回目のアロワナ現地調査は終わりましたが、
実は、まだまだ始まったばかり!という感じでしょうか(笑)
実際にまだ1水系のアロワナしかしっかりと見ていませんし、
数少ない水系でもそれぞれ固有の環境があるはずです。
そうした細かい環境や魚自体の情報をもっともっとたくさん集めてはじめて、
その対応策がしっかりと見えてくるものだと思っています。
そんなことで、早速プノンペンの水産局へ戻り、
みんなで今後の話を少ししました。
今でこそ、その場所へ行けばアロワナはいますが、
これから、カンボジアの経済は今以上に発展し、
それと引き換えに大切な自然環境は徐々に失われていく可能性が高いと思われます。
ホントにアロワナがいなくなってしまってから、
調査研究をしようとしてもその時ではタイムアウトです。
そこで今できることを!という事で
以前紹介したようなDNAサンプルを採取したり、
個体識別しながら今回のアロワナを使って系統保存していく準備を始めています。
魚といってもそれぞれ固有の性格や環境を持っていますので
「生きものの保全」というのは答えは一つではないのが難しいところです。
アロワナについていえば
それぞれの水系の環境に迫る危機の種類が違います。
生息環境の悪化だったり、
捕獲圧の違いだったり。
また、環境そのものを保全するのか?
魚を一時避難して保全するのか?
現場で魚を保全するのか?
これからもっともっと情報集めをしないといけませんね。
日本でもミナミトミヨやスワモロコが絶滅種ですが、
本来いないはずの水系で生き延びたクニマスもいます。
琵琶湖ではイタセンパラやアユモドキも絶滅したとされます。
湖東のある内湖にはかつてアユモドキがうじゃうじゃいたそうです。
琵琶湖のアユモドキの様にするわけにはいきません。
でも、幸いにもまだカンボジアのアロワナは生き延びています。
これだけが今の唯一の救いです。
これから、このプロジェクトでどこまで
追求できるかわかりませんが、
できる限りのアプローチをかけて、
これまでのツケを少しでも取り戻せるように
チームで頑張りたいですよね。
シェムリアップ淡水魚研究所にてストック中のアロワナの稚魚たち |
今回、初めてプロジェクトチームで動きましたが、
みな魚好きなバカの集まりですから(笑)、
きっと良い展開に持って行けると信じてやっていきたいです!
そのためにも、
ストックしているアロワナたちを大切に育てないといけないですね!
このプロジェクトは長尾財団と経団連の支援の下に
タイ・ラオス・ベトナム・カンボジアのインドシナ各国の協力で行われている調査研究です。
皆さまの応援は力になります。
今後ともよろしくお願いいたします。
そして、タイガーフィッシュこと当研究室が保全に取り組んでいる
ダトニオイデス・プルケールもこのプロジェクトの対象種ですので、
こちらも気を抜かず、今後も取り組んでいきます!!
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