今回は長尾財団と経団連のプロジェクトでカンボジア水産局のスタッフや
共同研究で関わっている九州大学の鹿野さん、山下さんらと共に
カンボジア希少淡水魚保全プロジェクトの第一回目調査としてちょうどシーズンにあたる
アジアアロワナ(Scleropages formosus)の生息環境確認と、
サンプル採集調査へ行ってきました。
現地調査の詳細はこの後ゆっくりとアップしていきますが、
先ずは昨日シェムリアップ淡水魚研究所にやっとのことで運んだアロワナを
鹿野さんと二人でDNA分析用のサンプリングを行ったのでご紹介いたします。
今回採集した個体は24個体でした。
いずれも親魚の口内から出て数週間から2か月ほどたった個体です。
それらの個体を1個体ずつ
重さを計測したり、
鰭をカットしてDNA分析用の標本を作りました。
また、各個体は個体識別ができるシステムを次回導入する予定なので
それまではロカリティ別に飼育します。
せっかく、ロカリティがわかっているので、
DNA分析の結果と合わせて比較できるように今から
できる限りの作業をしていかなければいけません。
ただ、産地別の個体数にバラつきがあり
2-3個体しか入っていない水槽ではケンカがじきに起こると思われるので心配です。
また、エサも確保しないといけないのでこりゃ大変ですね(笑)
今までは1ー5個体ずつしか飼育したことがなく、
それですら大変だったので覚悟してやらないといけません(笑)
頑張らなーっ!
それにしても、
みんな個体差があって違うものなんですねー
体型や髭の大きさ、長さ、太さ、体色・・・いろいろです。
作業としては、
1個体ずつ麻酔をかけて(下の写真の袋の中)、
登録用の写真撮影とひDNA用のヒレを採取します。
麻酔は全個体無事に復活しました。(良かったです)
サラワクで普段調査をしている鹿野さんはさすが!麻酔のかけ方は上手でした!!
麻酔作業は水族館でもやってきましたが、10年で数十回程度だったので経験値が少なく
自信がありませんでしたが、今回はとっても良い勉強になりました!
下の写真は麻酔で眠っているところ・・・
そして重さなども測定します。
こんな感じで昨日は研究室に帰ってすぐ作業をして
7時間の移動の後でしたが
何とか第一段階のミッションを終えることができました。
下のごちゃごちゃしたものは
採取したアロワナ24個体のDNA用標本です。
でも、アロワナはサイテスの付属書1という最高ランクに位置する魚なので
(パンダやトラと同じ扱いです)
研究用とはいえ、国外へ持っていくことはできません。
そのための書類申請などを得てから
鹿野さんの九大へ運んでDNA分析をする予定です。
実際、これだけ有名なアジアアロワナですが、
現地の保全管理や天然個体群の研究はほとんどされていません。
このプロジェクトではそうした希少種の
生息環境やそこに生息する個体をどう保全するかを見定めるための
予備研究の様なものです。
先ずはこうしたデータを集めないと
保全のための行動はできないですからね。
また、このブログを通じて
アクアリストさんたちに現地やフィールドの様子を知ってもらい
アクアリウムを扱う人としてさらに知識を得て
よりプロフェッショナルな域へ進んでいってもらえることを願っています。
先ずは結果からの報告でした!!
フィールドの様子はまたアップしますね!
お疲れ様でした。 小さいアロワナ可愛いね。
返信削除小さいままずっと変えると良いね。
いい経験してるね!!!!
トニー
とても良い経験でした。
削除まだやることがたくさんあるので大変ですが
一つ一つやっていきます。
ありがとう。