ストゥントレンの町から国境の村まで移動した際にあった
メコン河の支流で採集を少しだけしてみました。
今回の旅中は初日しか雨が降らなかったので
もうこの地域も乾季に入りつつあるようでしたが、
それでもまだまだ水量は多く土砂を含んだ濃い色をした水だったので
魚観察は難しかったですね。
この場所はメコン本流まであと数キロの地点なので
一見すると山間部の上流系の魚が出ると思いきや、
低地のメコン沿岸の顔ぶれが姿を現しました。
ここでもドライバーのティーさんが投網でいろいろ採ってくれました。
多くはコイ科の魚でしたが
いろいろな魚がいましたよ!
こちらはラスボラの仲間の
Rasbora daniconiusです。
このサイズが成魚で口の辺りから尾びれまで
一直線に伸びる太くて黒いラインが特徴です。
この魚は大河川から氾濫原の水田にまで顔を出す魚なので、
生息環境はとても広いです。
こちらはレッドギルバルブでも有名な
プンティウスの仲間Systoms rubripinnisです。
写真では反射してしまいあまり写っていませんが
鰓ぶたが赤く染まり、
尾柄の黒いスポットと
赤い尾鰭にその縁にはいる黒いラインですぐにこの魚だとわかります。
また、この魚と見た目がそっくりなS.jacobusboehlkeiという魚が
ラオスでは確認されているのですが、
まだカンボジアでは見つかっていません。
可能性のあるのはカンボジア東北部のラタナキリエリアに
いるのでは?と思っていますがまだ見ぬ魚です!
いつか出会いたいですね!
こちらは細く銀色のボディーに小さな黒い点がたくさんある魚ですね。
この魚はLabiobarbus leptocheilusといい
低地に広く分布している魚です。
このグループではもう一種Labiobarbus siamensisという魚がいます!
こちらはお馴染みのナマズ!
Hemibagrus spilopterusです。
シンプルな姿をしていますが、
アクアリウムでも十分に楽しめる魚ですよね。
エサ食いも良いのでしっかり飼いこめばすぐに30cmサイズまでいけると思います!
こちらはHemibagrus spilopterus よりも小さいミスタスキャット
Mystus mysticetus です。
ミスタスはいろいろと種類がいる魚で
カンボジアでは8種類ほどが確認されています。
いろいろと同定箇所はありますが、
最初は脂ビレの形状でざっくりと絞ることができます。
そしてこちらのコイ科は
ブンティウスの仲間でPuntius brevisといいます。
平野部に広く分布する魚なので一般的な魚ですが、
アクアリウムフィッシュとしてはどうなんでしょうね?
出回っているんですかね?
今は銀色ですが、産卵期には側線に沿って赤い色が出てきて
すっごくきれいな魚です。
別種かと思う程ですよ(笑)
そしてこちらのコイ科はオステオチルス属の魚なので、
比較的口が下についている魚です。
この種もいろいろといるので
今回はどの種か見ることなくリリースしちゃいました(汗)
見とけばよかったですね(笑)
最後に紹介するこちらのコイ科は
キレイですよね。
この魚についてはこれまでにも何度か紹介しましたが、
Discherodontus ashmeadiという魚で
今回の顔ぶれの中ではこの魚だけが低地ではあまり見られない魚でした。
でも、この場所には年中生息しているんですよね。
その要因は標高の高さではなく、
このあたりの河川環境の平面的な条件が関与していると
想像しています。
その根拠はこれまでにこの種をサンプリングしてきた環境と
この場所の風景(水中も含めて)がそっくりなんです。
なので、水面を見た時にいるかも!って思ったくらいドンピシャで出てきた魚なんです。
魚屋の感があたった時ってすごく嬉しいもんです(笑)
最後はドジョウの仲間Acantopsis sp.です。
よ~く見ながらイメージしてもらうとわかると思いますが、
細長くて目の下の頬などを見てみると、
馬の顔にすごく似ていますよね。
そんな理由からかホースフェースローチの名で有名なドジョウです。
時々ショップでも売っているので見かけた時は
よーく観察してみてください。
可愛いドジョウですよ!!
ひとつの河川からでもいろいろな事が想像できますし、
魚そのものからもそうですが、
まわりの景色や標高、植生、水の色、底質、流速などなどいろいろと
想像するのには十分なくらいの素材があるんですよね。
やっぱりフィールドには魅力がてんこ盛りです(笑)
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