久しぶりの市場シリーズです。
今回は市場の魚シリーズ73(Hemisilurus mekongensis)です。
Hemisilurus mekongensisというとあまり馴染みのない魚だと思いますが、
メコン水系ではよく見かける魚なんですよ。
属名のHemisilurus(ヘミシルルス)からもわかると思いますが、ナマズ(シルルス)の仲間です。
でも、ちょっと気持ち悪い姿ですよね(笑)
何がそう思わせるんだろーか!色かな?顔つきかな?
カンボジアで見かけるアベレージサイズは30-40cm程です。
この魚意外と口が小さいんですよね。ナマズなのに・・・・
上の2枚の写真はオス(上)とメス(下)です。
どこが違うかはすぐにわかると思いますが、ヒゲの形状が違いますよね。
下の写真がメスのヒゲの拡大写真です。
もっと拡大するとものすごい細かいヒダ状になっていることがわかります。
このひげについてはこれ以上説明できるほど詳しくないのでご勘弁ください(笑)
実は僕もこの調査を始めてから10年以上経った昨年に、文献を読んで初めて知ったんです(笑)
それで、慌てて生息地まで雌雄両個体を探しに行き、写真を撮ったんです。
こうして分布調査を始めると、すべての魚の情報を把握しないと同定できませんし、
記録に残すこともできませんので、とても大変です。
本当にこの調査は数種類の魚しか知らない状態で始めたんです!!
本当に無謀ですよね(笑)
逆に出会う魚すべてが新鮮で初対面だったので文献をあさって探しまくりましたね。
魚の同定作業で困っても、13年前の当時は聞きたくても聞く相手がいなかったので、
当時一緒にカンボジアへ調査に行っていた相棒と『あーだ、こーだ!』と主張しあって
同定していました(笑)とても懐かしい日々です。
話がずれましたが、この魚はトンレサップなどの低地(氾濫原エリア)ではほとんど見かけません。
主な生息地はカンボジア北部のメコン河本流とそこに注ぐ支流(結構デカイ川ですが)です。
上の写真はメコンの支流セコン川です。
この写真でも相当大きな川ですが、メコンはさらにでかいです!
しかも雨季の最大水量は乾季の20倍なのでハンパなくでかいです。
そんなところへ行ってチョコチョコ調査してるんですから本当に自然のスケールには適いません。
漁師さんの船に乗っているときにも同じようなことを感じるときがあります。
いくら大きな刺し網を仕掛けているとはいえ、網を回収しているときに、ふと周りの水面を見渡す
と、なんて小さな網なんだ!と思うことがあります(笑)
来週くらいから数ヶ月ぶりに伝説の魚を探しに1週間ほど調査へ行ってきます。
伝説の魚についてはまた今度ご紹介いたします。
ダトニオプルケールに勝るとも劣らない激レアコイ科大型魚です。
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