2013年1月15日火曜日

市場の魚シリーズ83(Papuligobius ocellatus)


今日は久しぶりの市場シリーズです。
 
市場シリーズはこのブログを始めてすぐにスタートした魚紹介企画なのですが、
 
100回を目標にしてやってきました!
 
当時はまだまだと思っていましたが、
 
気付くともう80回を超えました。
 
あと少しで100回達成ですね!
 
 
今日は市場の魚シリーズ83(Papuligobius ocellatus)をご紹介いたします。
 
Papuligobius ocellatusという魚はピンとこないかもしれませんが、
 
ハゼ科の魚です。
 
メコン水系には広く分布しているハゼで、サイズは7-10cm程度です。
 
パッと見は日本でも広く分布域を広げているヌマチチブの様な姿ですよね。
 
でも、ヌマチチブとは違うPapuligobius属のハゼです。
 
 
この魚だけではないのですが、魚調査をしてみると、
 
インドシナの水域には意外とハゼ科の魚が少ない事に気づきます。
 
日本ではハゼの仲間は種類数も豊富で
 
様々な水域に進入して種の多様性を維持しています。
 
それに比べると、大河メコンを有するこの地域にはハゼ科の魚が少ないんです。
 
 
その原因ははっきりとは知りませんが、
(専門の学者さんなら絶対に知っていると思います(笑))
 
この地形に適した環境が得られなかったのではないでしょうか。
 
その代わりにこの地に適応して種を繁栄させたのが
 
コイ科やナマズ科の魚たちなのでしょう。
 
 
その中でもハゼ科と同じ様なレンジに生息する魚に
 
ドジョウの仲間たちがいます。
 
とりわけ多様性があるものの中にBALITORIDAEという科の魚たちがいます。
 
この属にはHomaloptera属やNemacheilus属、Schistura属などが多くを占めます。
 
実際に採集をすると、ここはハゼがいそう!と思う場所でこれらの魚たちが出てきます。
 
きっと競争に勝ちこのエリアを勝ち取ったのがこれらの魚なのでしょうね。
 
 
ですので、ハゼ科の魚を採るととても新鮮で嬉しい気持ちになるほどです(笑)
 
このような観点から見ても日淡とはすこし違った環境だという事に気付くことができますね。
 
 
これからも時々、ハゼ科の魚も紹介していきますね。
 
でも、ハゼは同定が難しく、僕も日本でハゼ研究のスペシャリストの先生に同定依頼しています。
 
そのくらい豊富な知識と文献を揃えないと難しい作業だといえます。
 
 
また今年も初対面のハゼに出会えるといいなーと思っています(笑)
 
その時はまた先生にお願いしないと・・・
 
メコン本流の景色です。

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