この数日、ずっと避けていた魚の整理をしています。
ナゼ避けてきたかというと、ややこしい魚なんです(笑)
そんな魚にとりかかろうと、標本を開けてみると、
それ以外にも同じ場所で採れた違う種類の魚たちがたくさん入っていたので
先ずはそちらから整理をはじめました。
結局、必要なものを何点か撮影しながら、
1日かかってタグもつけながら標本整理をしました。
やらないといけない作業は早めにやらないとダメですね(笑)
そして、今回のメインの魚Pseudobagarius属です。
最後に残った標本を並べると意外と多く、
これを一つ一つチェックする作業を繰り返しました。
下の写真がその魚です!
この魚!は先日ダトニオP91で紹介したトンレサップ川にある
他の定置網で採れたものです。
大きさは体長35-49mmの魚でした。
よくあんな流れのはやい本流のど真ん中で泳いでいるなーと感心しますね。
バガリウスに近い魚だと思うので強いイメージがあるかもしれませんが、
この魚は水揚げされてすぐに取り上げてもほとんどが死んでしまうんですよね。
意外と弱い魚なので現場で扱ってみて驚きました。
この写真の様なPseudobagarius属には似たような魚が2種類いるようなんです。
P.filiferとP.subtilisです。
文献を見てみてもあまりパッとするような特徴は少ないようでしたが、
その中でも、わかりやすかったのは
胸鰭の太い棘の後ろに小さな鋸歯が両種にあるのですが、
P.filiferはその小さな棘が7本、
P.subtilisは5-6本
・・・とのことなので、
4-5mmほどの太い胸鰭棘を顕微鏡で覗きながら、
小さな棘の数をチェックしました。
この棘は皮に覆われていており、そのままでは見えないので、
一枚一枚まわりの皮や粘膜を取り除いてカウントできるようにします。
こちらの個体は5本・・・
こちらは6本・・・
そしてこちらは7本
(手前の最後の棘はとっても小さく、棘の窪みに半分埋まっています)
・・・という感じで、やっと違いが出てきました!!!
7本の個体はP.filiferで考えようと思っているのでOKなのですが、
5本と6本の個体はP.subtilisに決めるのはちょっと不安があるので
もう少し他の箇所を調べないといけなさそうです。
それでも、決定的なものが見つからなければsp.扱いになりますね。
棘の数が6本と7本で違う種類だなんて!
ホントに難しいですよね~
でも、それを知りたがることができるのは
ヒトだけですからね。
0 件のコメント:
コメントを投稿