久しぶりの市場の魚シリーズ79です!
今回は以前にも紹介したナマズの仲間Wallago leeriです。
今回この魚を紹介しようと思ったのはこの前の調査がきっかけです。
10年ほど前の写真です 大きい個体がたくさん見られた最後の時期です。 |
以前(10年ほど前)はかなりの確立でこの地方へ行くと
見れていた魚なのですが、
この数年の統計をみると、確かに減っているんです。
偶然、今回世話になった村のおじいさんの家に行った時に、
カンボジア政府と関連機関が発行している魚のポスターをじっくり見て話をしたのですが、
その中に絶滅の危険がある種として本種も入っていました。
(残念ながら肝心のAaptosyax grypusとDatnioides pulcherはナゼか入っていませんでしたが・・・)
もともと、大型魚なのでまとまって何十尾も一度に採れることはありませんが、
今回の調査でもあれだけ多くの場所に行っても
まったく出会わなかったんです。
この魚はプノンペンなどの低地のいわゆるメコンデルタ地帯にはあまりいない種なので
どうしてもカンボジアでは北部のメコンエリアということになるのですが、
その地域でも確実に生息数は減少傾向にあるようです。
昨年撮影した40cmほどの個体です。 このときも偶然訪問したメコン支流の村で1尾採れた個体です。 |
この魚はメコンだけではなく、となりのチャオプラヤ水系にも生息していると
思いますので、そちらがどのような状況かはわかりませんが、
メコンでこのような状態ということはおそらくチャオプラヤでも同様の
現象が起きている可能性は大きいですよね。
この魚は観賞魚としても昔から知られる種で、
今ではあまり注目される種ではないようですが、
こうした普通種として扱われてきた種がこれから徐々に
その位置を変えつつあるのかもしれませんね。
これからはこのような光景はほとんど見られないかも・・・ ただの季節的な問題であればいいのですが・・・ |
また、こうした問題はなかなか表に出ることはありません。
そうすると、いつの間にかいなくなり、
いなくなってから気付くというパターンが多いですよね。
ダトニオ・プルケールもそうですが、個々の種がこれから発する危険信号を
いかに早く捉えて、その対策や現状を把握しておく必要性は今後高まるのではないでしょうか。
ふと、思い立ったのでアップした記事でした!
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