翌日からは少し気分を変えて他の種も見たかったので、
イルカの村から40kmほど下流の地点をターゲットにし、移動することにしました。
今度の村は距離的には大きな町に近づくのですが、
イルカ村よりも辺境の地で、陸路はありません。
完全に陸の孤島ですので、移動手段はメコンだけです(笑)
この場所を選んだ理由はいくつかありますが、
普段ならただ通りすぎてしまうような場所なので、一度は見てみたいという思が強く、
分布調査をしている以上、調査地点を多くして、
まんべんなく広範囲に調査する必要があります。
船で移動中に水鳥たちがワサワサ飛んでいました |
今回の調査はメコンの上を何度も走ったので、
水域や魚はもちろんですが、
多くの鳥達も見かけました。
多くはサギなどの水鳥でしたが、
青いカワセミや白黒のヤマセミのような鳥、
真黄色な小鳥などなど・・・
鳥は詳しくないので(笑)分かりませんが、本当にたくさん見かけました。
青いカワセミは日本のよりも二まわりくらい大きかったです。
さらに白黒のヤマセミ似の鳥は日本のヤマセミよりひとまわり大きかったです!!
しかも、けっこうな数がいるんですよね。
カワセミは1羽や2羽ではなく、10羽以上は確認しました。
そのくらい魚が豊富なんですよねー!
下の写真は目的地の20kmほど手前の様子です。
今回の目的地はメコンの中でもかなり細い流れの場所で、
地図で見ると糸のような細さです。
でも、立派なメコンなんですけれどね(笑)
そんな地形から、少し違った魚がいるのでは?そしてどんな流れなんだろう?
という自分なりのイメージを抱いて選んだ場所です。
そして着いたのが下の写真の場所です。
メコンの岸を駆け上がった所に今回泊まる漁師さんの家がありました。
この村は村というか・・・・家が数件しかありませんでした(笑)
売店や屋台なんてとんでもないです(笑)
メコンと草むらとジャングルだけです。
船着場に降りてすぐに魚のカゴがあったのでチェックすると、
メコンギナ(カンボジアで一番美味しいとされるコイ科の魚)とラベオ・バルバータスが入っていまし
たが、メコンギナは腐って膨張していました。でも、この家の漁でもこの魚が採れるんだということ
が分かったので一安心です!
この奥の家に泊まりました |
肝心のお父さんがいませんでしたが、
難なくお母さんは泊めてくれることを了承してくれて、家に荷物も運んでくれました。
ここで、イルカ村の少年(船頭さん)ともお別れし、一人になってしまいました!
いつものように今回の目的を伝え村を散策してみると、
20-30m両隣に家を発見しましたが、その先に道がありません!
すべて木と草に覆われているので道がない!!
ということでこの村は船しか移動手段がないことをすぐに理解できました。
・・・となるとやはりお父さんの漁に連れて行ってもらうしかなさそうです。
そうすれば、他の漁師さんとも会えますからね。
マキ割りです。村ではガスは使いませんので、 炭を通常使用しますが、ここまで奥まった地域だとこのパターンは多いです。 |
今回お世話になった家のお母さんの台所 |
その後、お父さんが帰宅したので、挨拶していろいろ魚の話を聞きました。
そして明日の朝船に乗ってお父さんと一緒に魚を採るところが見たい!と伝え、
OKしてもらいました。本来は夕方もいくそうなのですが、
最近は夕方はあまり採れないそうで、朝しか行かないとのことでした。
しばらくすると、お父さんが船着場にあった網から先ほど確認した
腐ったメコンギナと元気なラベオを持ってきてメコンギナの話をし始めました。
『この魚は美味いんだぞ!お前は食べるか?』というので、
『知っているよ!食べたことあるから、俺はその黒い方の魚(ラベオ)が食べたい!』
と、言いました!もちろん新鮮なメコンギナなら喜んで食べますが(笑)!
腐って水の中でパンパンに膨れ上がっているメコンギナは食べたくないですよね(笑)
今思い起こせば、楽しい話でしたが、そのときはマジで阻止するために必死で説明しました!
そして・・・・
30分後に僕の目の前に晩ご飯として出てきたのは
あのメコンギナでしたっ!!!!!!
思わず、日本語で『マジかよー』って言ってた記憶があります(笑)
このとき、すでにお父さんは酒を飲み始めており、
完全に酔っ払っていて、
メコンギナがどれだけ美味しいかを散々聞かされました。
そして食え!というのです!!
油で揚げてあるので大丈夫だと言い聞かせて結局半分食べました!
その味は腐っているとはいえかなり美味しかったです。
本来の肉質かは分かりませんが、クリーミーな軟らかさで
硬さもなければ、肉の筋もありません(汗)
でも、腹も減っていたこともあり、
なんとか美味しくいただきました!
おそらく、水中で死後2-3日の個体です |
一応、腹痛に備えて薬も準備していましたが、
お腹も問題なく!!なんとかクリアしました!!
その日の夜はもう大変でした!!
3軒の人全員と対岸から船で来た人数人が1つの家(僕が寝るリビング)に集まり、
酒とタバコと爆音のテレビを見ながら10時くらいまでドンちゃん騒ぎです!
お父さんは早く寝ろ!というのですが、寝れるわけないですよね!(笑)
その間、3回抜け出して船着場で夜間採集と観察をして
夜の宴が終わるのを待ちました。
翌朝予定の7時よりも早い6時に起きて昨日洗った洗濯をたたんだり、
メコンで顔を洗って過ごします。
その時に隣の家のおじさんが漁から帰ってきて、
上の写真のバガリウス・ヤレリを生きているのであげるといってくれました。
でも、かなり弱っていたのですぐに死んでしまいました。
下の写真が隣のおじさんが採って来た魚たちです。
やっぱり想像していたようにここでは小さい網目の刺し網を使っていることがわかりました。
一通りチェックしたことろ、14-15種類の魚が確認できました。
そのほとんどはコイ科の中型魚です。
この村には生魚を売りさばく仲介人もいないので、
大型魚は採らずにこのような魚を採り、
『アジのひらき』のような干物にしてたまったらラオスに売りに行くそうです。
朝隣の家にいた豚です!
小さな子供がいました!
写真では分かりづらいですが、この親ブタはものすごくでかいです(笑)
そして、肝心のお父さんの姿がありません!
しばらくしてお母さんに聞くけれど、意味が通じません。(この村の公用語はラオス語です)
さらに待つこと1時間!
お父さんがバケツに魚をたくさん入れて現れました。
そしてほら!魚だぞ!というんです!!
悪い予感はしていたんですが(笑)・・・・・・・・・・・
やっぱり漁に行っていたんだねーーー!
1分ほどお父さんに知っている限りのカンボジア語で今の気持ちをぶちまけましたが、
今日も酒が入っていてダメパパ状態なので、何を言っても無駄でした。
ということで、この村での最後の望みであった漁にも行けないことが決まり、
このままでは明日の朝まで24時間待たなければいけません!
残念ですが、ここでこの村の調査を終えることにし、
交渉して隣のおじさんに頼んで、
下流の町まで船に乗せてもらい、残る1-2日間の調査場所を町に決めました。
町は結果として多くの魚が集まる場所なので
最後の調査としては最適な場所です。
また町に帰ったらスプライト飲んで、ブタ丼食べてゆっくりしながら釣りもしようと決めました。
上手くいく時もあれば、ダメなときもあるんですよねー!
最近はこのようなガチンコの調査に出ていなかったので(笑)
怠けていたんですね(笑)
そんな僕にとっては精神と体力の両方で辛い時間でした!
次回は最後の町での調査です!
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