もう、数か月前のことですが、
我が家の食堂「ボティアライフ」にプノンペンの大学の先生が訪問してきました。
その先生と一緒に来られた方々は信州大学と岐阜大学の学生さんでした。
早速、お話を聞くと、農業や漁業とそこで暮らす人々に関する研究をされている方々で、
魚をやっている僕の話も聞きたいということでお話しさせていただき、
今後何かの縁があればお互いに協力していきましょう!と
いう話で盛り上がりました(笑)!
ここまでの話は実は前置きで(笑)、
その話をの中で今回とても興味を持ったのは
岐阜大学の学生さんが研究されている「さんまいりん」という場所とその役割です。
みなさん、
「さんまいりん」って知っていますか?
正直、話を聞いている最中もその言葉の漢字が分かりませんでしたが、
最終的に教えてもらい理解することができました。
さんまいりんを漢字で書くと、「産米林」だそうです。
詳しくは岐阜大学の研究チームが書かれた下記の説明文をお読みください。
(一部抜粋させていただきました)
現在では,上空や道路際から見れば森林だが,一歩中に足を踏み入れると水田であった,というような「産米林」はほとんど見ることができない.このページの写真にも示すように,農民が水田に植えた竹やマンゴーの樹木類も含めて「産米林」として,定義を広げて用いられることが多く,このページでもそのような使い方をしている.
水田のイネの立場から見れば,群落の上にそびえる樹木があることで何らかの影響があることは明らかである.林の中か孤立木の下なのかが単に量的な違いではないであろうことは容易に想像されるが,具体的な中身,起きている現象についてはわからないことが多い.このことが産米林研究プロジェクトに着手した契機ともなっている.
http://www1.gifu-u.ac.jp/~miya/tree&rice/treericeopen.htm
・・・というのが産米林です!
ここでいくつかの驚きもありました。
例えば、30年代までは産米林エリアが存在しなかったというインドシナのコメ事情や
農業統計上の分類項目としての言葉だという点、
そしてその成り立ちと実際の生態系に及ぼす影響力などに興味をもちました。
上の写真は僕が以前に定点観測に使っていた場所で単に
「典型的な水田」なのですが、ヤシの木などが水田の畔にあるので、
産米林といえるか分かりませんが(笑)、たぶん産米林ですよね?
上記の説明にはこの産米林が形成されるプロセスが書かれていましたが、
いまカンボジアではまさにそのような光景が各地で展開されています。
また、私たち人が森を開発した結果出来上がったものですよね。
そう考えると、普通の水田も産米林も地形やきっかけが違えど、
人が生み出した環境ですから、かなり似ていますよね。
でも、生きものの生態や環境の観点から見ると、
平面の水田とそれよりも立体的な産米林とでは確かに違った
環境を生み出していると想像できますよね。
木々があることで、
農作業する人が日陰で休めます(笑)し、
鳥や牛、水牛などの大型動物が集まり、
そこに糞をすればそれが肥料となり多くの生きものたちが活動するきっかけになります。
木々の他にも高さ2mを超すアリ塚などもあります。 |
水と背の低い草木だけの場所に大きな木々があれば
そのエリアの生態系の幅は広がり、
生きものの多様性は増すのは明らかなことです。
そう考えると、産米林に対する興味は増す一方ですね(笑)
この産米林という言葉を知ってから少し水田地帯の風景の見え方が
変わってきたように感じます(笑)
この分野は専門でないので深くは入れませんが、
これからも興味をもって見て感じていきたいと思います。
皆さんの近くの水田には産米林のような場所はありますか?
ぜひ、探してみてください。
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