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2012年9月7日金曜日

ダトニオ生息地の上で・・・(往路)

 
この数日はバタバタしており、いつもと違う日々を送っていました。
 
急用ができたため、プノンペンまで行っていました。
 
ここ数年は車移動しか使っていなかったのですが、
 
今回は急用だったのでたぶん6年ぶりくらいに国内線の飛行機で移動しました。
 
車だと6-7時間かかる道のりが40分で行けてしまうんですねー!
 
早いです!かなり早いです!
 
前日の夕方にチケット買って、
 
朝家を出たら2時間後にはプノンペンの街中にいたんです。
 
やみつきになりそうですが、お金の問題があるので
 
しばらくは使えそうもありませんね(笑)
 
 
 
そんな事で、飛行機から見えたカンボジアの水域、
 
とりわけトンレサップ川とトンレサップ湖を中心にご紹介します。
 
でも、雨季なので雲がかかり、思うようには見えませんでしたが、
 
40分間は楽しむことができました。
 
 
まずは、下の写真です。
 
ここはコンポンチュナン州のトンレサップ川です。
 
雨季の真っ只中ということで川の周りの水田も浸かっていますね。
 
まさに氾濫原です。
 
カンボジアの低地は硫酸性土壌という貧弱な地質なので
 
作物には適さない地域なのですが、毎年このように水が氾濫し、
 
水田の土地を覆いつくすのでその時にリンや窒素などの栄養分が運ばれてきます。
 
そのため幾分か良い土壌になっているそうです。
 
これも今の地形を維持しているからこそ、実現する水の循環システムなんですね。
 
 

 
上の写真も同様です。
 
2つの町以外はすべての土地が水で覆われています。
 
それでも基本的にトンレサップ川に生息する大型魚はそれらの浅い水域にはたぶん
 
進入しないと思います。実際にこの時期に調査したこともありますが、
 
小型の一般魚しか見られませんでした。
 
 
 
時々、自分もこんな場所に調査しに行きますが、
 
地上から見るとたいしたことないですが、
 
こうして上から見るととんでもないところですねー(笑)
 
どうやってそこまで行ったら良いのか?
 
 
ちょうど今頃は多くの魚種が産卵し終わった頃です。
 
これから一気に成長してその子供らがまた分布域を広げて
 
旅立つんですね!
 
 
すごいです。
 
Esomusやグラミー類、プラーチョンなどはものすごく勢いがある時期です。
 
この写真の中にはいったい何尾の魚たちが写っているのか?
 
計り知れないです。
 
 
 
 
上の写真などは河川の形状がよくわかりますよね。
 
下の写真も地形の変わり目なので、
 
僅かに標高が高くなるラインに沿って水の進入するラインがくっきり出ています。
 
おそらく、このラインを境にして生息する魚種も
 
やや(この程度では微妙ですが)変わってくると思います。
 
 
 
カンボジアの河川の多くは蛇のように蛇行する河川が多いです。
 
というか、本来このような広く高低差が少ない土地ではこのような河川が形成されるのは
 
必然です。でも、今の日本の河川の多くは治水・利水・遊水と様々な対策が実施された
 
結果、直線的で窮屈な河川体型に変わってしまいました。
 
 
下の2枚はトンレサップとメコンをつなぐ合流点、プノンペンのチャトムック地区です。
 
チャトムックは『4尾の竜』という意味だそうで、
 
トンレサップ川、メコン河上流、メコン河下流、バサック川と
 
大きく4つの流れが合流する場所です。
 
まさに4尾の竜ですね。
 
 
まず、下1枚目で説明すると、
 
手前の大きな2本がメコン上流です(真ん中の陸は中州です!)
 
右端の河川がトンレサップ川
 
中央上がバサック川(ベトナムを経由し海へ)
 
左上がメコン下流です。
 
 
 
そして、下の写真は
 
左上がメコン下流    右上がバサック川
 
左下がメコン上流     右下がトンレサップ川です。
 
 
ここは首都でありながら、4本の河川が交わう水域なので
 
魚も豊富な1級ポイントですよね。
 
昔はメコンオオナマズもたくさん採れたそうです。
 
ダトニオもいっぱいいたんだろうなー!!!!
 
 
 
最後の写真はプノンペンの北にあるボンコック湖です。
 
っていうか開発で今はもう埋め立てられてしまいました。
 
ここにも数十年前はダトニオがいたはずです。
 
ここもきっと昔はトンレサップ川とつながり、水の出入りがあったはずですからね。
 
ダトニオもそうですが、魚の居場所は刻一刻と狭められているんです。
 
それを痛感した40分のフライトでした・・・。
 

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