80年前の魚を追いかけて

今回調査依頼を受けたプラチヤーさんは

80年前の魚を追いかけているとの事！！

80年前にこの地で採集された魚が論文で記載されているんです。

その魚はタニノボリの仲間で

バリトラ属の魚です。

タニノボリというと実はいろいろな属がいて、

カンボジアでもいくつかのグループがあります。

パッと見では下の写真の様な魚なんですｗ

これも今回採集した個体ですが、

これまでに僕が調査してきた時と同じく、

それらしき魚はこの種だけで、

どこの河川をやってもこの種でした汗！！

ちなみに、これはアンナミア属の魚です！

論文からみると、タイプロカリティはこの場所なんですが・・・

もちろん、他にコイ科やスキストラなどいろいろな魚はいるのですが、

バリトラに近い種はこれだけなんです・・・

きっと80年前はいたんでしょうね～

ただ、この80年という時間は1000年前の80年間とは比べ物にならないくらい

魚たちにとっては激動の80年だったと僕は推測しています。

なんせ僕らヒトの生活が大きく変わった時間ですからね。

ヒトの生活が向上する事で森も川の水も地形も大きく変化したのでしょうね。

それ以外の自然の変化もあったかもしれません。

様々な要因で優占種が入れ替わることは十分にあり得る事ですので

現代の魚類相と80年前のそれは異なるものだったのでしょうね。

ロマンがありますね。

でも、今回はタイプロカリティ周辺エリアしか調査できていないので

このバリトラ・アンナミティカが絶滅したと言い切れるものではなく、

同水系の違う谷の河川に残っている可能性もあります。

次に機会があれば80年前に研究者さんが見た魚を

この手にのせて見てみたいです（笑）

歴史とフィールドから辿る魚調査もとても

ロマンがあって楽しくミステリアスなところは最高です。

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