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2018年2月21日水曜日

コイ科咽頭歯(書籍の紹介)


今月に入って2冊の書籍が届きました。

先ずはこの書籍です!

これは中島経夫さんという博士が書かれた本です。

中島さんは僕が琵琶湖にいる頃にお世話になった方で

僕にとっては魚のお師匠さんの一人です。


中島さんは魚類学の中でも

コイ科の咽頭歯の研究をされている第一人者なんです!!


そこで気になる言葉が・・・

咽頭歯・・・?

咽頭歯は漢字のごとく喉の奥にある歯で

コイ科の魚たちはみなもっている外見からは見えない歯なんです。

日本にいるコイもフナもタナゴもみんなコイ科で

口の中には歯らしきものはみえません(無いです)が、

喉の奥にはちゃんとエサを細かくする歯があるんですよ~



それが咽頭歯です!

また咽頭歯は非常に硬いものなので、

それこそ弥生時代など昔の人が魚を食べてその食べかすを

捨てたとされる貝塚や住居跡などの遺跡群から

咽頭歯が出土します。

(もちろん、その土地でコイ科の魚を食べていたらですが・・・)


さらに、咽頭歯は種によってみな形が違うので

種の研究にも大きな手掛かりを見つけることができる

スゴい歯なんです!!


現代の新鮮な魚でも、

何千年前の魚でも、

咽頭歯が見つかればその魚の系統がわかり、種名もわかると共に、

その時代の自然環境や人の暮らしの一部までわかっちゃうんですね~



この中島さんが書かれた咽頭歯の本には日本のコイ科だけではなく、

日本の淡水魚たちが大陸とどう関わってきたか?

大陸と離れた日本列島がその後どのような歴史を辿って現在に至るのか?・・・

を知るために

大陸(中国や朝鮮半島)の魚たちも記されています。

さらに、東南アジアのコイ科たちとの関連も研究されており、

僕がカンボジアで採集したコイ科の標本が多数使われています。


どの分野の研究でもそうですが

魚の研究といってもその分野やテーマは数えられないほど、

いえ!無限にあり、

その様々な角度から一つひとつ研究が進み、

いくつかの研究テーマが合さることでさらに

研究が進んでいくんですよね。

それらのお陰で今の近代社会があると思うと

ヒトの創造力ってすごいですね~!!


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