調査後の翌日はプノンペンの水産庁研究所で
データ整理などをしました。
その前にプノンペンの市場を2か所散策してきたのですが、
思わぬ魚に出会いました。
それがこの赤い魚です。
アクアリストの方はよく知っているキッシンググラミー(の赤バージョン)ですよね。
天然分布はカンボジア・タイ・インドネシア・マレーシアとなっていますが、
14年間採ったことがないんです。
この手の魚ならたくさんいるはずなので、
出会っていると思うのですが・・・
情報ではベトナムで養殖がされているとのことなので、
その個体群が養殖魚としてカンボジアに入って来た可能性が高いのですが、
在来魚として扱うか悩んでいます。
気持ち的には外来魚のカテゴリーかな?と思っているので
その扱いでやっていくつもりですが、
悩める魚です。
この魚を売るお店を見ても、
天然魚と一緒に売っているので、
余計混乱します(笑)
他のお客さんの反応を見ましたが、
「これはなんていう魚?」と知らない人が多いようでした。
お店の人も「赤魚よ!」とありきたりな名を言うだけ・・・
見つけたのは嬉しいですが、
困りもんですね(笑)
買った個体は水産局にお土産として引き渡してきました。
パナラーさんあたりに情報収集してもらい、もっと調査が進むといいですね。
その他には以前市場シリーズでも紹介したPangasius krempfiです。
パンガシウスの仲間ですが、
独特の体つきでシブい魚です(笑)
パンガシウス属は歯型でだいたいの種がわかりますが、
この魚は尾びれが黄色く染まることや
スレンダーボディーで大型の個体しか見られないことなどから、
一発でわかる魚です。
長尾財団さんの調査によると、
下流のメコンデルタエリア(ベトナム)には小さい個体がたくさんいるとか!!
これまで散々カンボジアでは魚チェックしていますが
まだこの魚の未成魚や幼魚は見ていません。
同じグループの魚たちでも
これほどまでに生活史が違うんですね。
そして、ワシントン条約付属書1(CITES1)にランクされている
コイ科のProbarbus jullieniです。
この魚も以前紹介しましたが、意外と多いんですよね~。
日本にもタイなどで養殖された個体が流通していますが、
養殖個体はちょっと頭部の形状がおかしいように思えます。
同じサイズの天然個体とは違いますね。
でも、こうして売られるくらい資源があるってことは
逆に有難いことですよね。
こちらはカンダール市場の様子ですが、
10年前に比べるとエリアが拡大されています。
人工増加に伴っているのでしょうかね。
魚コーナーがまとまっていないことが残念です(笑)
この日は相当歩かされました(笑)
今データ整理で頭を悩ませている魚が
このタイヤトラックスパイニールです。
同じような姿をした種が2種いるので
同定するのが大変です。
しばらく、数か月はデータ整理に追われそうです。
しかも、この1年は次々に新たな種が見つかっているので
情報を更新するだけで頭の中がパンパンです(笑)
こんな時にスタッフがいるといいなーなんて思っちゃいますね!
とにかく、やらな!進まないのでガンバリマス!