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2012年12月7日金曜日

カンボジア北部採集記10-7

 
昨日は前日に私用で村のおじいさんの病気の世話をしに行った際に風邪をうつされて(笑)
 
頭痛と喉、咳、鼻水、関節痛に悩まされて、1日寝込んでいました(笑)
 
熱が出なかったので嫁には仮病扱いされましたが(笑)
 
マジできつかったです(笑)!
 
 
 
前回6/10で紹介した調査の翌日は船で村のやや上流側にあるポイントへ出かけて
 
漁師さんの船をチェックしながら、目的の魚の聞き取り調査をする仕事をしました。
 
 
朝のメコンは静かで幻想的でした。
 
同じカンボジアに住んでいても、
 
場所が違うと景色が新鮮に見えるのでちがった
 
雰囲気を味わうことができます。
 
 
 
この日は周辺で刺し網漁をする4人の漁師さんに聞き取りしましたが、
 
やはり最近はとっていないという答えが多く、
 
その日も船に横たわるAaptosyax grypusをみることはできませんでした。
 
本当はもう少し流れのきつい水域で漁をしている人と出会いたいのですが、
 
この地域ならこのような場所でもいる可能性は高いと思っています。
 
 

 
この辺りは捕獲していると、ラオス人の人が船に乗って近づいてきます。
 
そしてカンボジア人であっても魚を採っていると、
 
船に乗せてある秤で魚の重さを量って1kgいくらで交渉し、魚を集めてラオス側に卸す
 
仕事をしている人が数人います。
 

 
下の写真はあるカンボジア人漁師さんが採っていた魚です。
 
パーテーホ、キクロケイリクティス(コイ科)、ヘミバグラス・ウィッキオイデスが横たわっていました。
 
 

 
・・・という感じで朝の調査は終了・・・(泣)
 
 
村に帰ってからは次の調査地に行く時間まで2時間ほど暇です。
 
イルカ(カンボジア語でプサオ)の観察をして過ごしました。
 
 
朝の漁を終えて、船を陸につけてすぐのことでした!
 
プシュー!という音が目の前でしたと思ったら、
 
プサオが自分の目の前(ほんの5mくらいでした)に現れたんです!!
 
その後はすぐに遠いところ(いつもの岸から50-100m沖)へ行ってしまいましたが、
 
早朝は岸近くに現れることが多いそうです。
 
イルカはクラチエ州(100kmほど下流の地点)のイルカも含めて何度も見てきましたが、
 
こんなに近くで見たのは初めてだったのでかなり感動しました!!
 
 

カメラを準備すると遠くにいるんですよねー

それでもやっぱり可愛いですよね。
 
 
 
イルカの観察の後に行ったのは、
 
2003年に一度調査で訪問したことのあるラオス側の村です。
 
今回は車移動ではないので荷物を減らすためにPCを持って来ていなかったので
 
頭の中に残っている記憶を呼び起こして
 
その村のことをおじさんに聞いてみると、
 
その呼び方はラオスでの呼び名だ!といわれましたが、
 
なんとか目的の村がわかり、
 
その村へ行くことができました。
 

この写真の左(左岸)の手前はラオスで左の奥と右(右岸)はカンボジアです。

左岸側にあるカンボジア領内の船着場
まずは、目的のブンカーン村の隣というかカンボジア領内側にある船着場で
 
漁師さんがもって来る魚を待ち、ラオス側に運ぶ前に計量するときに
 
見える魚をチェックしますが、
 
全部の魚がはっきり見えないので、お手上げです(笑)
 
 

 
そこで、船着場にいる検問所の警察官に頼んでラオス側の村に入れるように
 
お願いして紙切れのチケットをもらいます。
 
これをもって船でラオス側の村に進入することができました!
 

ラオス側の村ブンカーン村の船着場
ここではラオスの警官とちょろっとおじさんが話しただけで
 
なんの警戒もされずに村内に入れました。
 
この村は記憶にあったとおりの地形で見る景色が記憶を一気に蘇らせてくれました。
 
そして、魚の卸屋を見つけると同時に、目の前に今回探していた魚の一つでもある
 
エイがーーーーーーーー!いる!!!!
 
 
興奮しながら駆け寄り、運ばれてはおしまいなので(笑)、
 
近くの桶から水を汲んできてエイを洗い、
 
バックからカメラとストロボを急いでセットして
 
とにかくとりまくりました(笑)
 
後で調べたら、50枚くらい連写していました(笑)
 
普段はそんなに撮らないのですが(笑)今回の調査では新顔に出会えていなかったのも
 
あってよほど嬉しかったんでしょうね(笑)
 

 
このエイはもちろん淡水エイですが、
 
アクアリウムの世界でも結構レアな魚です。
 
名前はDasyatis laosensisといい、有名な巨大エイHimantura chaophrayaとは別種です。
 
Himantura chaophrayaは5m級に成長するエイですが、
 
本種は最大でも60cm程度です。
 
以前から探していた魚で、この辺りにいることは知っていたので、
 
出会えれば良いなと思っていた魚だったので
 
本当に嬉しい出会いでした!
 

 
オレンジのスポットが入ることが大きな特徴です。
 
Himantura chaophrayaとは全く違いますよね。
 
 
 
エイの撮影後は村内にある魚の卸屋をグルグルまわって魚が入り次第、
 
チェックする作業を繰り返します(笑)
 
 
その間に村のラオス人たちに図鑑を見せてこれは見たことあるか?
 
とか、これは採ったことあるか?など質問しながら情報を集めます。
 

 
でも、あまり話しに夢中になると、
 
卸屋に魚が入ってきてしまいますので、
 
村の巡回を忘れないようにしなければいけません(笑)
 
 

1mを超えるトカゲもいました。

10年ほど前は良く見かけましたが最近は見かけることは少なく、

久しぶりにであったオオトカゲでした。



他の卸屋に行った時でした!
 
ちょうどカンボジア側から魚を積み込んだ車が入ってきました!
 
 
カムリのトランクを開けたとたんびっくり!!
 
 
トランクの中いっぱいにそのまま魚が入っているんです(笑)



 
おそらく道中の村を回って漁師さんから魚を買い取って
 
ラオスに売りに来たんでしょうね。
 
早速、車から次々と魚を出して、ラオス人が計量してノートに重さを書き込んでいきます。
 


 
今回の調査で気付いたのはこの地域では
 
小型魚が流通していないことです。
 
これは漁師さんの網を見ても分かったのですが、
 
網目が大きく、トンレサップ湖周辺や下流のメコンで扱うような漁はしていないということです。
 
このことから、この地域は大型魚が多く、大型個体だけを捕獲する漁で十分に成り立つだけの
 
資源が現在もあるということが考えられます。
 

 
それだけの資源を今も維持できるほど、
 
この地域は自然豊かな水域を今も維持している証拠ではないでしょうか。
 
 
これらの背景にはイルカの保全のために網のサイズの規制や
 
禁漁区を設けるなど、政府や保護活動をする団体との連携の成果が背後にあります。
 
 
これからもこうした地道な規制やルールを守りながらの
 
生活をしてもらえるといいな!と感じました。
 
 

家に帰ってからの晩ご飯。

この調査に来てからは毎日魚を食べ続けています(笑)

この日はナマズの揚げ物でした!

 
それにしても大型魚のオンパレードで、
 
その姿や光景にも驚かないくらい見慣れてきました(笑)
 
 

なぜか?魚に混じって野生のイノシシまでもが・・・

きれいにさばかれていてとても美味しそうでした。

 
生きていればどれも水槽で泳がすには最高の個体ばかりですね。
 
水族館をやったらこの地域で大型魚を集める仕事がしたいですね(笑)
 


 
こんな感じでラオス側での調査も終えて村に帰りました。
 
明日も僅かな望みを込めてこの村に行く段取りをしてホッと一息入れるために
 
お茶を飲みました。
 
そしたら、コップに流れ出たお茶葉が立ちました!
 
縁起が良いと思い、つい写真に収めてしまいました(笑)


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