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2012年8月16日木曜日

市場の魚シリーズ53(スレッドフィンの仲間)

今回はスレッドフィンやパラダイスフィッシュの名で有名な

POLYNEMIDAE科に属するグループの紹介です。
この仲間は日本ではツバメコノシロの名でも有名ですよね。
基本的に海岸線近くの近海を主な生息地とする種が多く、

一般的には海水魚扱いされていると思います。

日本で見られる仲間も近海に生息し、時々釣りなどでも釣れる魚です。
Eleuthronema tetradactylum


今回紹介する4種のうちEleutheronema tetradactylumは海水域で見られる種で
日本で見られるツバメコノシロに近い種といえると思います。
実際にカンボジアでも海岸線に沿っている町で多く見られ、

内陸部では首都のプノンペンくらいでしか見られません。
アベレージサイズは30-40cm程度です。

次に紹介する3種はまだ分類的に整理できていない種もいるので基本的な学名はコテラット氏に従っていますが、一部は最新の情報も入れていますのですべてが確かなものとはいえないこともありますのでご了承ください!(早く整理されるといいのですが・・・)

まず最初は胸鰭が黒くボディーが黄色く染まるPolynemus属の
Polynemus borneensisです。



本種はメコン河からトンレサップ湖一帯の広い水域を移動しながら

生活している純淡水魚です。
初めて本物を見たときは感動しました!凄くきれいなんですよ!

水槽での飼育経験はないのでどの程度体色が維持できるかわかりませんが

一度は飼ってみたい種ですね。
まさにスレッドフィンの王様です!
でも、これから紹介する2種と比較すると生息数は少ないようで

まとまって捕獲されているところをまだ見たことがありません。
これから行う調査では本種の個体数に気をつけてチェックしていきたいですね。
もしかすると数年後には見られなくなっている可能性もなくはないですからね。



次はPolynemus longipectoralisです。
学名のとおり長い胸鰭ですね

トンレサップは浅い湖ですので乾季などにはこの魚が酸欠で水面をパクパクする光景が見れるとか・・・?

本種は体全体が白く背中部分はわずかに青白い色を発する種です。
サイズは10-15cmほどの小型魚です。
でも、上の種に比べると比較的まとまって見られる種で

まだまだ漁獲量も安定している種だといえます。
市場で見ていても結構この魚を買っていくおばちゃんは多く、
カンボジア人の摂取する動物淡白源に一役かっている光景を良く見ます。
生息地はやはりメコン・トンレサップ一帯の純淡水魚です。
市場での様子。まだまだ数は多いようです。
たぶん探せばこの中にもPolynemus melanochir dulcisがいるでしょう。

最後は魚の写真はないのですが、2001年に本村先生が記載した新種で
Polynemus melanochir dulcisという種(亜種)がいます。
この種の元になった種(亜種)はPolynemus melanochir melanochirといい、
メコン下流のベトナムやボルネオに生息しています。
僕自身は上のPolynemus longipectoralisとまだ整理がついていないので
少しで遅れてしまっています(笑)これまでに確認した個体はすべて
Polynemus longipectoralisで整理しているので早くこの2種を
同定できるようにして調査にいかさないといけませんね。
論文はもう手に入れたので時間を見つけて読まなければ・・・・(泣)
こういう情報があるとついつい焦ってしまいますね(笑)
分類は時間との勝負でもあるのでいつも世界中の論文をチェックして目を光らせないと
いつの間にか遅れをとってしまいます。
まだまだ魚のスペシャリストの道は遠いですね(笑)

この記事の下書きを書いたのはホテルの水槽メンテナンスの日です!
給水量が非常に少ないので2m水槽の換水時間が2時間ほどかかります(笑)
ですのでその時間を利用してブログをアップする時間に使っています。
意外とこの時間は落ち着くので好きな時間です。

最近はなかなかアップする時間がとれませんでしたが、
これからはまた以前のように時間をつくるようにしますので
これからも応援よろしくお願いいたします!!

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