本種を今日紹介しようと思ったのは、たまたまネットで魚関連の記事を検索していると、
この仲間をベトナムで採集した方が何の魚だか分からず謎の魚として扱っていたので
少しだけ紹介しようと思います。
僕のカンボジアでの調査ではこれまでに2種を確認しています。
ファルロステトゥス科は淡水域から汽水域、そして海水域と幅広い生息環境をもっています。
でも、全ての種が全ての水域に生息するわけではなく、それぞれの種によりその生息域は
異なります。
基本的に魚体は透明でシラスやメダカの仲間のようなイメージです。
下の種Phenacostethus smithiは完全に淡水に生息する種です。
実際に調査で見つけた場所も完全淡水域でした。
(家の前の川で見つけたんです!)
でも、昼間は見つけることは難しいですね。
実際、昼間に同じ場所へ行ってもいなかったのです!
どこかへ移動しているのか、小さすぎて(20mm程度)見えないだけなのか(笑)
ですので、この魚を採集したのは夜中です。
懐中電灯で水面を照らすとたくさん浮いているんです。
写真を見ると分かると思いますが、エラの下、おなかの周辺に変なものがついていますよね。
これはオスだけなのですが、硬骨魚としては例外的に喉部に腹鰭が変形した
交接器=プリアピウムという器官を持つ魚だそうです。
とても神秘的な魚ですよね!
さらに、メス個体は腹鰭がありません!
しかも、体内受精型ですが卵の状態で産み落とします。
なんとも、変な魚です!
下の写真はPhenacostethus sp.です。
本種は数地点の汽水域で採集した個体です。
上のPhenacostethus smithiよりはやや大きく、3-4cmほどあります。
この種は大きいので昼間でもわりと目視できます。(笑)
でも、夜間の方が良く見えますね。しかもたくさん浮いているので簡単に見つけられます。
夜間に観察したときに撮ったものです。 流れの少ない場所を利用して浅い場所の水面付近を漂います。 |
確かにこの奇妙な体型の魚を始めて見た人は不思議に思いますよね。
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